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なぜ早期に治療を始めるべきなのか?

関節リウマチの治療において、最も重要な原則の一つが、「早期診断、早期治療の開始」です。

関節の破壊は、患者様が関節の痛みや腫れを感じて、病気が発症してすぐに始まります。そのため、早期に抗リウマチ薬を始めることが大切とされています。

1. 早期に治療が不可欠な理由:「関節破壊が大きく進む期間」

関節リウマチの治療が遅れることが、なぜこれほどまでに問題となるのでしょうか。それは、関節の破壊が病気のごく初期に集中して起こるからです。

① 関節破壊は早期に始まる

関節リウマチの炎症は、関節の軟骨に生涯にわたって残る損傷を引き起こします。

  • 関節破壊の多くが早期に発生:ほとんどの患者さんにおいて、手のレントゲン検査で確認できる関節の破壊は最初の2年間で発生しやすいことが知られています。
  • 初期の破壊の確認:以前はレントゲン検査ですでに進んだ破壊を確認することが主でした。最近では高解像度超音波検査を行うことで、発症からわずか数ヶ月の早期の関節リウマチ患者でも、関節の骨びらん(骨が削れた状態)や軟骨の破壊・滑膜炎(炎症)を見つけることができるようになりました。
  • 進行していく生涯残る損傷:一度破壊された関節の骨や軟骨は、残念ながら元に戻ることがありません。そのため、この破壊が起こっている初期の段階で炎症を抑えることが、長い目でみた時の機能維持のために最も重要となります。

② 治療効果は「時間」とともに低下する

治療の開始が遅れてしまうと、抗リウマチ薬の効き目が悪くなることが、臨床研究で示されています。

  • 治療への反応率の低下
    症状が始まってから治療を開始するまでの期間が長くなるにつれて、抗リウマチ薬による治療した時の効果が段階的に低下することが知られています。特に「治療の窓」と言われる、 関節リウマチを抑える良い早期の期間があると言われています。
  • 早期に治療するメリット
    関節リウマチの症状が出てから14.9週から19.1週後という早い段階で抗リウマチ薬による治療を受けた関節リウマチの患者さんは、より遅く治療を受けた患者さんと比べて、寛解を維持できる可能性が高いことが知られています。

2. 早期治療による長期的なメリット

発症してすぐに抗リウマチ薬による治療を始め、炎症を厳しく抑えた「T2T(目標達成に向けた治療)戦略」を行うことで、患者さんは以下の長い目で見た恩恵を受けることができます。

① 関節の機能維持と関節破壊の予防

関節リウマチが抑えられていない状態が続くと、関節の破壊が進み、最終的には物を握る/歩くなどの日常生活に必要な機能の低下生涯にわたって残ることにつながります。

  • 機能障害の抑制
    関節リウマチを発症してすぐに効果的な抗リウマチ薬の治療を行うことで、長期的な機能障害を減らすことができると、多くの研究でいわれています。
  • 早期に寛解を達成する重要性
    関節リウマチを発症して最初の6ヶ月以内に寛解を達成できた患者さんは、早期に寛解を達成できなかった患者さんと比較して、1年後の「身体機能評価スコア(HAQスコア)」が約半分となり、この差は3年後も続くことが知られています。

② 合併症リスクの低減

関節リウマチによる炎症は関節だけでなく、全身の臓器に影響を起こし、様々な合併症早期死亡のリスクを高めます。

・心血管疾患リスクの低減

関節リウマチの患者さんの死亡リスクが増加する主な原因の一つに心血管の病気(心臓の病気と血管の病気)があります。具体的には、血管の病気として心筋梗塞や脳梗塞などがあります。CRPなどの炎症反応が高い状態で続くことは、心血管の病気による死亡リスクを増やすことが知られており、抗リウマチ薬による積極的な治療を行うことで、全身としても炎症を最適に制御することが、心血管の病気の予防において重要となります。

・全身性の合併症予防

長い間、疾患活動性(炎症)が続くことは、アミロイドーシス(特にAAアミロイドーシス)などの重い全身性の合併症を起こすリスクを高めてしまいます。関節リウマチが治まらない状態で、長い期間にわたり炎症が高い状態にあると、アミロイドーシスを発症しやすいことが知られています。早期かつ積極的な抗リウマチ薬の治療によって、炎症を抑えることは、これらの全身的な影響や特定の癌(リンパ腫など)のリスクを下げることができます。

・頸椎病変の予防

関節リウマチの患者さんにおきる、重症な合併症として頸椎の亜脱臼が起こることがあります。抗リウマチ薬によるリウマチ治療をしっかりと行うことで、頸椎の亜脱臼の発症を予防または大幅に減らすことができるとされています。

3. 治療薬の早期介入(抗リウマチ薬の開始時期)

リウマチ専門医の共通の意見として、活動性のある関節リウマチと診断されたすべての患者様に対して、できるだけ早く抗リウマチ薬による治療を開始することを推奨しています。

・理想的な開始時期

症状を起こしたときから理想的には3ヶ月以内に抗リウマチ薬を開始すべきであるとされています。

・中心となる薬

ほとんどの患者さんにおいて、「メトトレキサート」が初期治療の中心となる薬として推奨されています。間質性肺炎や腎不全などの合併症をお持ちの患者さんには別に薬から開始することもあります

・症状緩和薬(痛み止め)との違い

痛み止めの薬(NSAIDs;非ステロイド性抗炎症薬)やステロイドなどの薬は、一時的に痛みや腫れを抑える対症療法として使われますが、関節の破壊を予防したり、長い目でみて関節機能を維持する効果はありません。そのため、抗リウマチ薬が効き始めるまでの「つなぎ」の治療として、また抗リウマチ薬が効くまでの症状を和らげる目的で、短い期間使用するものです。

 

当院では生物学的製剤を含めた最新の薬まで使用して関節リウマチ治療に当たります。千葉で関節リウマチの治療が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談下さい!

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