エピペン®(自己注射薬)
エピペン
「エピペン」という言葉を聞いたことはありますか? これは、ハチに刺されたり、特定の食べ物を食べたりしたときに起きる重いアレルギー反応から、命を守るための大切な薬です。いざという時に迷わず使えるよう、正しい知識を身につけましょう。
1. エピペンとは
エピペンは、重症なアレルギーである「アナフィラキシー」の時に使われる唯一の薬です。医師の治療を受けるまでの間、アナフィラキシーの進行を一時的に食い止めるための補助治療剤です。
中身は「アドレナリン(エピネフリン)」という薬です。
アナフィラキシーが起きると、喉が腫れて息ができなくなったり、血圧が下がって意識を失ったりすることがあります。エピペンを太ももに注射すると、血管を縮めて血圧を上げたり、気管支を広げて呼吸を楽にしたりする効果があり、ショック状態を防ぐことができます。
2. どのようなときに使うか
「アナフィラキシーかな?」と思ったら、ためらわずにすぐに使うことが重要です。
簡単なアナフィラキシーの判断方法
アナフィラキシーと判断した場合にはエピペンを投与することになります。
しかし、いざ目の前でアナフィラキシーが起きた際にはゆっくりと考える時間はないため、簡単に判定する必要があります。そこで、以下の2つのパターンを覚えておくと良いと思います。
- 「アレルギーを疑う状況」+「全身の蕁麻疹」+「何かの症状(呼吸や心臓やお腹や神経の症状)」
- 「アレルギーを疑う状況」+「命に関わる重い症状(呼吸や心臓やお腹や神経の症状)」
→ これらの症状があれば、すぐにエピペンを投与して良いと考えます。
※ エピペンは「迷ったら打つ」が基本になります
詳しくは 「アナフィラキシーの「3. 症状と診断方法と重症度」をご覧ください
3. エピペンの種類
中に含まれる薬の量により2つに分けられます
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種類 |
エピペン®注射液0.3mg |
エピペン®注射液0.15mg |
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見た目 |
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使用する方 |
体重30kg以上の方が使用します |
体重15kg以上30kg未満の方が使用します |
4. 処方の流れ
エピペンは医師の処方箋が必要な薬です。またエピペンは特別な資格をもつ医師しか処方できないため、アレルギー内科専門医より処方されることを勧めます。
1) 診察・検査
アレルギー専門医が、これまでの症状や検査結果(血液検査など)をもとに、アナフィラキシーのリスクがあると判断した場合に処方されます。
2) 用量の決定
体重に合わせて薬の量が決まります。通常、体重15kg〜30kg未満に0.15mg製剤、30kg以上に0.3mg製剤が処方されます。
3) 使い方の指導
処方される際にはビデオなどでアナフィラキシーの判断方法や、エピペンの正しい打ち方についての指導を受けます。
4) 「エピペン®注射液 適正使用のための理解確認事項・適正使用同意書」の確認
エピペンは処方箋のみでは薬をもらうことができません。医師と共に「エピペン®注射液 適正使用のための理解確認事項・適正使用同意書」を記入し、処方箋と共に提出することではじめて薬をもらうことができます。
これはエピペンを更新する際にも毎回確認が必要になります。
5.エピペンの使い方
1) アナフィラキシーの判断を行う
「エピペン(このページ)」の「2. どのような時に使うか」をご覧ください
2) 保管用ケースから出します
3) オレンジ色の針を下に向けて、利き手で本体を「グー」で握ります
誤って指に注射すると指先が壊死する危険性があります。
→ エピペンはグーで握り、オレンジ色の針の部分は触らないでください
4) 青色の安全キャップを外します
5) エピペンを太ももの外側にしっかりと当て、「カチ」と音がするまでしっかりと押し付けます
- 痛みで反射的に足が逃げないように、もう片方の手で太ももを抑えると良いです
(他の人にエピペンを打つ際にも、足が逃げないようにしっかりと抑えてください) - ズボンをはいている時には、脱がせにくい時にはズボンの上から摂取しても良いとされています
- エピペンを斜めに当てると、針がはじかれたり曲がることがあるため、垂直に当ててください
6) 10秒程度待って薬液が入るのを待ちます
7) ゆっくりとエピペンを話して、オレンジ色の針カバーが伸びたことを確認します
8) 救急車を呼び、救急隊が到着した際に使用したエピペンを渡してください
6. 注意点と副作用
エピペンを使用したらすぐに救急車を呼ぶ
エピペンはあくまで一時的な処置です。効果は長く続きません。使用後は直ちに救急車を呼び、病院へ行ってください。症状が一度治まっても、またぶり返すことがあるため、必ず医師の診察が必要です。
副作用
注射した後、ドキドキする(動悸)、手が震える、頭が痛くなる、不安になるなどの症状が出ることがありますが、これは薬が効いている証拠であり、通常は一時的なものです。
禁忌なし
「心臓が悪いから使えない」といったことはありません。アナフィラキシーは命に関わるため、どんな人であっても使用するメリットの方がはるかに大きいです。
7. 管理方法
エピペンはいざという時にすぐに使える状態で持っておく必要があります。
温度管理
極端な暑さや寒さは避けてください。冷蔵庫には入れず、直射日光の当たらない常温(15〜30℃)で保管します。夏の車内などは高温になりやすいため放置しないでください。
使用期限の確認
エピペンには使用期限があります。期限が切れる前に新しいもの処方してもらいましょう。ただし、緊急時に手元に期限切れのものしかない場合は、打たないよりも打った方が良いとされています。
液の変色
窓から見て中の液が変色していたり、濁っていたりする場合は、新しいものと交換してください。
8. 日常生活での注意点
常に携帯する
学校、職場、旅行先、運動中など、どこへ行くときも必ず持ち歩いてください。
練習をする
処方された時に練習用トレーナーをもらえます。いざという時はパニックになりがちなので、定期的に練習して手順を体に覚え込ませましょう。家族や周りの人にも使い方を知っておいてもらうと安心です。
緊急時対応プラン
「どんな症状が出たらエピペンを使い、どう対応するか」を医師と相談しておき、学校の先生や友人と共有しておきましょう。
打つ場所
太ももの外側に垂直に強く押し当てます。服の上からでも打てます。
当院ではアレルギー学会の専門医資格を持った医師が治療にあたります。
千葉(幕張)でエピペンの処方を希望されるかたは、是非「こあら内科クリニック」にご相談下さい!
【画像引用】VIATRIS「エピペン®注射液を処方された患者さんとその保護者のためのページ」より引用
