動脈硬化
当院では動脈硬化測定用の専門機器「血圧脈波測定機」を用意しています。
5分ほどで検査を実施でき、動脈硬化の度合いを数値で測定できます。検査費用は(3割負担の方で)300円とお安い検査です。是非気軽に受診してご相談ください。
また当院では、生活習慣病や動脈硬化についての無料相談を行っております。
公式LINEまたは予約ページから予約可能です。ご気軽にご相談ください
動脈硬化とは
動脈硬化とは、心臓から全身に血液を送る「動脈」が、年齢とともに弾力性を失い、硬く厚くなってしまう状態のことです。「血管の老化」と言い換えることもできるかもしれません。子供のころの血管は新品のゴムホースのようにしなやかですが、長年使い続けるうちに、血管の壁にはコレステロールなどのプラーク(ゴミのような塊)が溜まり、血液の通り道が狭くなっていきます。
この病気の最大の特徴は、「自覚症状がほとんどない」ことです。血管の内側がかなり狭くなっても、痛みを感じることは稀です。しかし、ある日突然、プラークが破れて血管が詰まり、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こします。
日本人の健康寿命を脅かす危険な病気なため、動脈硬化を起こす生活習慣病は「健康診断」として日本国民の皆さんに実施いただいています。
日本人の死因と動脈硬化
動脈硬化は、日本人の命を奪う主要な原因となっています。厚生労働省の「令和5年 人口動態統計」によると、日本人の死因順位は以下のようになっています。
|
順位 |
死因 |
死亡総数に占める割合 |
動脈硬化の関わる病気 |
|---|---|---|---|
|
第1位 |
悪性腫瘍(がん) |
24.3% |
ー |
|
第2位 |
心疾患 |
14.7% |
〇 |
|
第3位 |
老衰 |
12.1% |
ー |
|
第4位 |
脳卒中 |
7-8% |
〇 |
第2位の「心疾患」と第4位の「脳血管疾患」を合わせると、死因の約4分の1を占めます。これらは「動脈硬化性疾患」と呼ばれ、がんと同じくらい、あるいはそれ以上に警戒が必要な病気なのです。血管を健康に保つことは、健康寿命を延ばすための最重要課題といえます。
動脈硬化の原因
動脈硬化は、ひとつの原因で起こるわけではなく、さまざまな要因が積み重なって進行します。これらは大きく「変えられない因子」と「変えられる因子」に分類されます。
〇 変えることのできない因子
・加齢:年を重ねれば、誰でも血管は老化します。
・性別:男性は女性よりも動脈硬化になりやすい傾向があります。女性は女性ホルモンによって血管が守られていますが、閉経後はその守りがなくなるため、リスクが急激に高まります。
・遺伝:家族に心臓病や脳卒中の人がいる場合、体質的に動脈硬化になりやすい可能性があります。
これらは自分の努力では変えられませんが、次に挙げる「生活習慣」に関わる因子は、自分の意志でコントロールすることが可能です。
動脈硬化を起こす原因
動脈硬化を加速させる最大の要因は、不適切な生活習慣による「危険因子」の蓄積です。
特に、「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」「喫煙」は4大危険因子と呼ばれます。
〇 高血圧と動脈硬化
血圧が高い状態は、血管の壁に常に強い圧力がかかり続けていることを意味します。これにより血管壁が傷つき、厚く硬くなります。血管が細くなると、(水道のホースを絞めるイメージで)さらに血圧が上がり、さらに動脈硬化を加速させます。このように高血圧症を放置してしまうと、悪循環で血圧が上昇していくことになります。
詳しくは「高血圧症について」へ
〇 糖尿病・高血糖と動脈硬化
糖分はエネルギーが高いため、血管の成分と糖が結びつくと炎症を起こし、血管の壁が傷つくことが知られています。特に細い血管障害を起こしやすいとされており、糖尿病の3大合併症の「しめじ(神経-目-腎臓)」はまさに細い血管が分布している臓器です。具体的な病気との関連をみると、糖尿病をお持ちの方は、ない方と比べて、心臓病(心筋梗塞など)のリスクも、認知症のリスクも約2倍高くなると言われています。
詳しくは「糖尿病について」へ
〇 脂質異常症と動脈硬化
血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が多いと、そのまま油が血管の壁に入り込んでプラークを作ります。これらの血管の壁に付着したプラークは不安定で、血液の流れによって剥がれ、詰まることで脳梗塞などを引き起こします。
詳しくは「脂質異常症について」へ
〇 慢性的炎症と動脈硬化
最近の研究では、「慢性的な炎症」も動脈硬化を進行させることがわかっています。血液中の炎症反応(CRP)が高い人ほど、心血管病の発症リスクが高くなります。関節リウマチなど膠原病をお持ちの方は、できるだけ炎症を抑えることが将来の心筋梗塞・脳梗塞を抑えるために重要です。
〇 危険因子の「掛け算」:メタボリックシンドローム
これらの危険因子(高血圧・糖尿病・脂質異常症・慢性炎症)の複数と肥満が重なっている状態をメタボリックシンドロームと呼びます。一つひとつの数値は軽度の異常であっても、重なることで動脈硬化のリスクは足し算ではなく「掛け算」で跳ね上がります。
詳しくは「メタボリックシンドローム」へ
動脈硬化の検査 (血圧脈波と頸動脈エコー)
動脈硬化は目に見えないままに進行するからこそ、数値と画像で客観的に(数値として)評価することが非常に重要です。当クリニックでは、痛みがなく短時間で終わる以下の検査を行っています。
1. 血圧脈波検査 (ABI/CAVI)
手と足の血圧を同時に測ることで、「血管の詰まり」と「血管の硬さ(血管年齢)」を調べます。
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検査項目 |
基準値と判定 |
検査結果の意味 |
|---|---|---|
|
ABI(足の血管の詰まり) |
0.9以下 |
脚の血管が詰まり始めている可能性があります。 脚の血管が詰まっている方は、心臓や脳の血管も同様に 詰まる危険性が高いです。 |
|
CAVI(血管の硬さ) |
9.0以上 |
動脈硬化が進んで血管が硬くなっている疑いがあります。 |
・動脈硬化の度合いを数値で測定できます。定期的に測定することで動脈硬化の進行がわかります
・検査時間:約5分ほど
・検査費用:(3割負担の方で)300円程度
・予約なく、すぐに実施できる検査です。是非、気軽に受診してご相談ください。
2. 頸動脈エコー検査
首の血管(頸動脈)に動脈硬化を起こすと、他の血管で動脈硬化を起こした時と比較しても危険です。頚動脈にできたプラーク(コレステロールの塊)が一部だけでもはがれてしまうと、血液の流れにそって流れていき、その先の脳に詰まります。このように発生する「アテローム血栓性脳梗塞」は、脳梗塞の中でも大きな範囲の脳領域にダメージがでてしまう危険なタイプの脳梗塞です。このように、動脈硬化の中でも特に注意すべき頚動脈の動脈硬化を目視で確認する検査が「頚動脈エコー検査」です。
頚動脈に超音波を当てて、血管の壁の厚さ(IMT)や、プラーク(コレステロールの塊)の有無を直接観察します。将来的な脳梗塞のリスクを評価することができるだけでなく、頸動脈は「全身の血管の窓」と呼ばれており、ここの動脈硬化が進んでいる場合、脳や心臓の血管でも同様の変化が起きている可能性が非常に高いと判断できます。痛みも被曝もなく、その場で血管の状態を目で見ることができる非常に有用な検査です。
・検査時間:5~10分ほど
・検査費用:(3割負担で)1700円程度
・予約不要の検査です。気軽に医師にご相談ください。
・医師が直接診察室で行う検査なため、外来が混雑している際には実施できないことがあります。
