咳が続く(慢性咳嗽)
長引く咳に注意!「慢性咳嗽」について正しく知ろう
1. 慢性咳嗽とは
咳は、肺や気道から異物や分泌物を取り除き、体への感染を防ぐための大切な防御反応です。
風邪をひいたときなどに咳が出るのはごく一般的なことですが、時にはその咳が何週間も長期間続くことがあります。このように長引く咳のことを「慢性咳嗽」と呼びます。
咳が長く続くと、周りの目が気になったり、夜よく眠れなくて体が疲れてしまったりします。また、声がかすれたり、筋肉を痛めたり、尿漏れの原因になるなど、日常生活にさまざまな悪影響を及ぼします。
長引く咳の陰には、単なる風邪ではない別の病気が隠れていることがあるため、正しい原因を見つけて治療することが大切です。
2. 慢性咳嗽の定義
「慢性咳嗽」と診断される期間の基準は、大人と子供で異なります。
大人の場合
咳が「8週間(約2ヶ月)以上」続いている場合に慢性咳嗽と診断されます。
子供の場合
咳が「4週間以上」続いている場合に慢性咳嗽と診断されます。
子供の方が期間が短く設定されているのは、一般的な風邪などの呼吸器の感染症であれば、通常は4週間以内に自然に治るためです。
それ以上続く場合は、異物の誤飲など別の重い病気などがないかを早く見つける必要があります。
3. 慢性咳嗽の検査
慢性咳嗽の原因を調べるために、医療機関では次のような検査が行われます。
問診と診察
いつから咳が出ているか、痰は出るか、熱や息苦しさはないか、今飲んでいる薬はあるか、たばこを吸うかなどを医師が詳しく聞きます。
胸部X線検査
肺の感染症や肺がんなどの重大な病気が隠れていないかを確認するための基本的な画像検査です。
呼吸機能検査
喘息などの気道が狭くなる病気がないかを調べます。
息を大きく吸って勢いよく吐き出す検査です。
アレルギーの検査
アレルギーや黄砂などが原因で咳が長引くことがあります。アレルギーの血液検査を行うこともあります。
その他の検査
原因が特定しにくい場合や他の病気が疑われる場合には、さらに詳しい胸部CT検査、胃酸の逆流を調べる検査、鼻やのどの内視鏡検査などが行われることもあります。
4. 慢性咳嗽の原因となる病気
慢性咳嗽の原因はさまざまで、大人と子供でも大きく異なります。
大人の主な原因
大人の慢性咳嗽の最大90%は、以下の3つのいずれかが原因とされています。
(1) 後鼻漏
- アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)などで、鼻水がのどの奥に流れ落ちる状態です
- この鼻水がのどを刺激して咳を引き起こします。
(2) 気管支喘息や咳喘息
- 空気の通り道(気道)に常に炎症が起きることで起きる気管支喘息が原因になります
- 風邪の後に咳が長引く「咳喘息」も原因として多いです。
→ 咳喘息の症状が長引くと、本当の気管支喘息になることがあるため、早期発見・早期治療が重要です - 冷たい空気や特定の匂い、ほこりなどで悪化することがあります。
(3) 胃酸の逆流(胃食道逆流症)
- 胃酸が食道に逆流し、のどや気道を刺激して咳が出ます。
- 胸焼けを感じることもありますが、咳以外の症状が全くないこともあります。
大人のその他の原因として、タバコによる慢性的な気管支の炎症、高血圧の治療薬の副作用、などがあります。
子供の主な原因
(1) 長引く細菌性の気管支炎
- 特に5歳未満の小さな子供に多いです
- 痰の絡んだ「湿った咳」が長く続くのが特徴です
- 抗菌薬(抗生物質)による治療が必要です。
(2) 喘息
- 子供でもよく見られます。ヒューヒューという音(喘鳴)を伴うことが多いです。
(3) ウイルス感染後の咳
- 風邪の後に咳だけが残る状態です。時間の経過とともに自然に治ります。
(4) 異物の誤飲
- 特に小さい子供で注意が必要です
- 気管に異物(ピーナッツや小さいおもちゃなど)を吸い込んだ時にも咳が長引きます
→ 早期発見が必要です
5. 慢性咳嗽のある患者さんの生活上の注意点
咳を長引かせないため、または症状を和らげるために、まずは早期に病院を受診して原因を調べましょう。
その他、生活の中で以下の点に気をつけましょう。
(1) 原因に合った治療を続ける
- 咳止め薬で一時的に症状を抑えるだけでは治らないことも多いです
- 原因となっている病気を特定し、その治療をしっかり受けることが最も重要です
- 自己判断で市販の咳止め薬に頼りすぎないようにしましょう
(2) 禁煙と受動喫煙の防止
- タバコの煙は気道を強く刺激し、咳を悪化させます
- ご自身が禁煙するのはもちろん、家族など周囲の人も喫煙を避ける(受動喫煙を防ぐ)ことが大切です
- 特に子供の前や車の中での喫煙は絶対にやめましょう。
(3) 胃酸の逆流を防ぐ工夫
- 胃酸の逆流が原因の場合は、生活習慣の改善が効果的です
- 食後2~3時間は横にならないようにしましょう。寝る時に頭を少し高くすることも効果があります。
(4) 原因物質を避ける
- ほこり、ダニ、ペットの毛、冷たい空気など、咳のきっかけになるものを避けるようにしましょう
長引く咳は原因次第では徐々に悪くなり、取り返しがつかなくなることもあります。
放置せず、早めに病院を受診しましょう。
当院ではレントゲン検査のほか、クリニックとしては珍しい呼吸機能検査の検査機器があり、慢性咳嗽の診断・評価を的確に行えます。
千葉(幕張)で慢性咳嗽が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談ください。
