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感染症の検査

関節リウマチの治療は、いずれの薬でも、免疫力を薬の力で低下させて病気を抑える「免疫抑制療法」になります。関節リウマチの治療は近年大きく進歩しており、特に「生物学的製剤」と言われる薬たちは、炎症を標的とした強い効果をもっており、関節リウマチの治療を劇的に改善しました。その一方で、これらの薬は同時に、私たちの体が持つ免疫システム(病原体と戦う防御力)を意図的に調整して弱めることになります。

そのため、関節リウマチの患者さんは、病気そのものの影響に加え、これらの免疫を抑制するお薬の影響によって、肺炎や皮膚感染症などの重い感染症にかかるリスクが高くなります

特に、治療を始める前には、体の中に「隠れた感染症」がないかを調べることが、安全に治療を進めるための必須のステップになります。

1. 結核(潜在性結核感染)の検査

結核は現在の日本人では有病率が下がっていますが、それでも人口10万人あたり8.1人程度の罹患率と言われています。結核を保有している方の多くは症状がなく本人は気が付いていないため、免疫を下げる治療を行う前には、特に厳重に検査が必要となります。

潜在性結核感染(LTBI)とは?

結核は、結核菌という細菌によって引き起こされる感染症です。日本では過去に結核が流行していたため、多くの方が知らず知らずのうちに結核菌を吸い込み、感染している可能性があります。この結核菌が免疫システムによって閉じ込められ、活動していない状態を「潜在性結核感染」と呼びます(古い言葉では「潜在性結核」とも呼ばれます)。潜在性の状態では、通常、症状は全くないため、本人は気が付くことができません。

なぜ検査が必須なのか?

関節リウマチに使われる、生物学的製剤やJAK阻害薬は、結核菌を封じ込めている免疫の壁を弱めてしまう可能性があります。その結果、潜伏していた結核菌が再び活動を始め(再活性化)、重い結核病を発症するリスクが高まることがわかっています。

この再活性化のリスクは、これらの薬を使用する患者さんすべてに存在するので、薬の投与を開始する前に潜在性結核感染がないかを確認するスクリーニング検査が必須とされています。

スクリーニング検査の内容

スクリーニングは通常、以下の方法で行われます。

1. 問診と診察:結核にさらされる可能性のある生活環境がないかを確認します。

2. 血液検査:結核菌に感染しているかを血液で調べる「インターフェロンガンマ遊離試験(IGRA)」などを行います。これは結核に感染したことがあるかを高い精度で調べることができます。ただし、過去に結核菌の治療を行って、すでに完治している場合でも陽性のままになる点には注意が必要です。

3. 画像検査:結核菌による過去の病変や活動性の病変がないかを確認するため、胸部レントゲン(X線)検査を行います。

検査が陽性だった場合

もし潜在性結核感染が確認された場合、これらの新しいお薬を始める前には必ず結核の予防的な治療(抗結核薬の服用)を少なくとも3週間行い、安全が確認された上で生物学的製剤やJAK阻害薬の投与が開始されます。抗結核薬の服用は6~9か月間行うことが多いです。

2. B型・C型肝炎のスクリーニング

B型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)の感染がないかを調べるスクリーニングも、関節リウマチの治療を始める前に必要です。これらのウイルス性肝炎も、自身では症状がなくてもすでに感染している可能性があるため注意が必要です。

B型肝炎のリスク:免疫抑制薬はB型肝炎ウイルスを再活性化させるリスクがあることが知られています。

肝臓の健康:肝炎ウイルスに感染している場合や、過去に感染したことがある場合、薬の使用によって肝臓の炎症が悪くなる可能性があります。

対応:スクリーニングで感染が確認された場合は、ウイルスの量を測定しつつ治療を行っていきます。ウイルスの量が最初から多い場合、または治療途中で増えてきた場合には、肝臓専門医とも連携しつつ、必要に応じて抗ウイルス薬による治療も行います。

まとめ

関節リウマチの治療は近年大きく進歩し、関節が破壊されることなく生活できる患者さんが増えています。しかしその背景には、強い免疫抑制薬による治療があり、感染症のリスクがついてきます。事前に感染症の検査をしっかりと行うことで、安全に治療を行うことができるようになります。

当院では感染症にも気を配った、安全な関節リウマチの治療を目指しています。千葉で関節リウマチの診断・治療が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談下さい!

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