慢性腎臓病(慢性腎不全)
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「慢性腎臓病(CKD)」という言葉を聞いたことがありますか?これは特定の病気の名前ではなく、腎臓の働きが悪くなったり、腎臓が傷ついたりしている状態が長く続くことを指す言葉です。
腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、悪くなっても最初はほとんど自覚症状がありません。しかし、放っておくと将来的に人工透析が必要になったり、心臓病のリスクが高まったりする怖い病気です。
ここでは、慢性腎臓病について分かりやすく解説します。
1. 慢性腎臓病とは?
慢性腎臓病とは、原因が何であれ、以下のどちらか(または両方)が3カ月以上続いている状態のことです。
- 腎臓の「ろ過する力」が落ちている
・腎臓は血液中の老廃物を尿として捨てる「フィルター」の役割をしています。この能力(GFRといいます)が健康な人の半分くらい(60 mL/min/1.73m²未満)まで下がっている状態です。
- 腎臓に「傷(障害)」がある
・尿検査で「タンパク(アルブミン)」が出ているのが代表的なサインです。本来、大事な栄養であるタンパク質は尿に漏れません。これが出るということは、フィルターが傷ついている証拠です。
2. 慢性腎臓病を起こす割合・有病率
実は、慢性腎臓病はとても身近な病気です。日本人の有病率は約1,400万人とされており、高齢化と共にどんどん増加しています。特に60歳代では3人に1人が、80歳以上では2人に1人が慢性腎臓病を患っています。他人事だとは思わずに、いつか自身もなる可能性がある病気、として腎臓の数値が下がってきた際には早めに対処することが大切です。
3. 腎臓が悪くなる原因
腎臓が悪くなる原因はさまざまですが、主なものは生活習慣病です。
〇 糖尿病
血液中の糖分が多いと、腎臓のフィルターが目詰まりを起こして傷つきます(糖尿病性腎臓病)。これが原因として最も多く、人口透析が必要となる原因の第一位も糖尿病です。
〇 高血圧
血圧が高いと腎臓の血管に負担がかかり、硬くなって働きが落ちてしまいます。
〇 糸球体腎炎・間質性腎炎など
腎臓のフィルターなどに炎症が起きる病気です。背景に膠原病が隠れていることがあるため、必要な時には膠原病の検査を行います。またすでに膠原病として治療中の患者さんでは、定期的な尿検査が重要になります。
4. 病気の重症度・ステージ分類
慢性腎臓病の重症度は、「原因」「腎臓の働き(Gステージ)」「尿タンパクの量(Aステージ)」の3つで判断します。
※CKD診療ガイド2025(日本腎臓学会)より引用
〇 Gステージ(腎臓の機能)
G1(正常)からG5(末期)までの6段階に分けます。数字が大きいほど腎臓が弱っています。
〇 Aステージ(傷の状態)
A1(正常)からA3(重度)までの3段階です。尿タンパクが多いほど、将来、透析や心臓病になる危険性が高くなります。
この2つを組み合わせてリスクを色分けして(青・黄・オレンジ・赤)、治療の方針を決めます。
5. 治療をする目的
「痛くないから大丈夫」と思って放置するのは危険です。治療が必要な理由は大きく2つあります。
①「透析」や「移植」になるのを防ぐため 腎臓の働きが極端に悪くなると(G5ステージ)、体の中に毒素がたまって生きていけなくなります。そうなると、機械で血液をきれいにする「透析」や、他の人から腎臓をもらう「腎移植」が必要になります。治療によって、その時期を遅らせたり、防いだりすることが目標です。
②腎臓の機能が落ちてしまうと、同時にミネラル(カルシウムやリンなど)のバランスが崩れ、普通の方と比べて動脈硬化が進行しやすいと言われています。動脈硬化が進むと心筋梗塞・脳梗塞に結びつくため、腎臓の機能が落ちている方は動脈硬化についても注意することが大切です。
6. 治療方法
一度悪くなった腎臓を完全に元通りにする特効薬はありませんが、進行を遅らせることはできます。
① 生活習慣の見直し
・減塩:塩分をとりすぎると血圧が上がり、腎臓に負担をかけます。1日の塩分量は6g未満(高血圧などがある場合)を目指しましょう。
・禁煙:タバコは腎臓の血管を傷つけ、病気の進行を早めます。
・肥満の解消:適正な体重を保つことが腎臓を助けます。
② 食事療法
腎臓の状態に合わせて、タンパク質やカリウム(野菜や果物に多い成分)の量を調整します。
・タンパク質制限:腎臓が老廃物を捨てる負担を減らすため、お肉や魚などのタンパク質を少し控えることがあります(体重1kgあたり0.8g程度)。ただし、極端な制限は栄養不足になるので、医師や管理栄養士の指導が必要です。
③ 薬による治療
・血圧の薬(ACE阻害薬・ARB):血圧を下げるだけでなく、腎臓を保護し、尿タンパクを減らす効果があります。
・SGLT2阻害薬:もともとは糖尿病の薬ですが、腎臓を守る強力な効果があることが分かり、糖尿病でない人にも使われるようになっています。
・その他の薬:コレステロールを下げる薬(スタチン)なども、心臓病のリスクを下げるために使われます。
7. まとめ
慢性腎臓病は、早くに発見して対策をすれば、怖い病気ではありません。健康診断で「尿タンパク」や「クレアチニン(腎機能の数値)が高い」と言われたら、放置せずに病院に行きましょう。早い段階から自分の腎臓の状態を知り、生活習慣を整えることが、将来の健康を守る一番の近道です。
慢性腎臓病(腎臓の機能低下)は、様々な理由で起こるため、特定の病気ではなく、身体全体を見る視野が重要になります。当院では専門医が網羅的に全身の検査を行い、腎臓の機能が下がる原因を調べます。
千葉市の幕張で慢性腎臓病(腎臓の機能低下)が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談ください。
