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慢性蕁麻疹

慢性蕁麻疹について

皮膚に赤みやかゆみを伴うふくらみが現れる「蕁麻疹」は、多くの人が経験する一般的な皮膚の病気です。その中でも、症状が長期間続き、原因がはっきりしないものを「慢性蕁麻疹」と呼びます。ここでは、この病気の基本的な知識から治療法、生活上の注意点までを詳しく解説します。

1. 慢性蕁麻疹とは

慢性蕁麻疹とは、原因が特定できず、かつ蕁麻疹の症状が6週間以上繰り返し続く状態のことです。

一般的な蕁麻疹(急性蕁麻疹)は、数日から数週間で治まることがほとんどですが、慢性蕁麻疹の場合は症状が毎日のように現れ、数ヶ月から数年にわたって続くことがあります。 「特発性」とも呼ばれ、特定の食べ物や刺激などの明らかなきっかけがなく、突然症状が現れるのが特徴です。

2. 有病率や疫学

慢性蕁麻疹は決して珍しい病気ではありません。

  • 頻度:全人口の約0.5~1%の人が、一生のうちに一度は慢性蕁麻疹にかかると言われています。
  • 性別:女性は男性の約2倍多く発症する傾向があります。
  • 年齢:子どもから大人まで発症する可能性がありますが、特に30代から50代の大人に多く見られます。

3. 慢性蕁麻疹の分類

蕁麻疹は、症状が続く期間やきっかけによって分類されます。

急性蕁麻疹

症状が始まってから6週間以内のもの。多くの場合、原因がはっきりしていたり、短期間で治ります。

慢性蕁麻疹(慢性特発性蕁麻疹)

症状が6週間以上続き、特定のきっかけなく自然に現れるものです。

誘発性蕁麻疹(物理性蕁麻疹)

寒さ、暑さ、日光、皮膚への圧迫や摩擦、振動など、特定の物理的な刺激が原因で起こるものです。
慢性蕁麻疹と合併することもあります。

4. 原因

慢性蕁麻疹の最大の特徴は、80~90%の患者さんで特定の原因が見つからないことです。
「食べ物のアレルギー」や「内臓の病気」が原因ではないかと心配される方が多いですが、慢性蕁麻疹においてこれらが原因であることは極めて稀です。
現在考えられている主なメカニズム(仕組み)は以下の通りです

① 自己免疫反応

自分自身の体を攻撃してしまう抗体(こうたい)などが作られ、それが皮膚の細胞を刺激してヒスタミンというかゆみの成分を出させているという説があります。甲状腺の病気を持つ人に慢性蕁麻疹がやや多いことが知られています。

② 悪化させる要因

直接の原因ではありませんが、ストレス、疲れ、感染症(風邪など)、解熱鎮痛薬(痛み止め) などがきっかけで症状が悪化することがあります。

5. 症状

皮膚に現れる症状は、一般的な蕁麻疹と同じです。

膨疹(ぼうしん)

蚊に刺されたような赤いふくらみが突然現れます。
形は円形、楕円形、地図状など様々で、大きさも数ミリから手のひらサイズまで大小あります。

かゆみ

強いかゆみを伴うことが多く、夕方から夜にかけて悪化する傾向があり、睡眠を妨げることもあります。

症状の移動

一つひとつの発疹は数時間から24時間以内に跡形もなく消えますが、また別の場所に新しい発疹が現れるのを繰り返します。

血管性浮腫(クインケ浮腫)

患者さんの約半数では、まぶたや唇などが腫れぼったくなる「血管性浮腫」を伴うことがあります。
これは皮膚の深い部分で起こるむくみで、かゆみよりも痛みやピリピリ感を伴うことが多く、治るまでに数日かかることがあります。

6. 検査

慢性蕁麻疹は、医師が皮膚の状態を見たり、患者さんから話を聞いたり、血液検査をすることで診断されます。

基本的な血液検査

他の病気が隠れていないかを確認するために、血球数や炎症反応(CRP)、甲状腺ホルモンなどを調べることがあります。

アレルギー検査

特定の原因となる物質や食べ物があるかを確認するために網羅的なアレルギーの検査を行います。
ただし慢性蕁麻疹はアレルギー反応ではないことが多い点に注意が必要です。

皮膚生検

発疹が24時間以上消えない、あとが残る、痛みを伴うといった場合は、「蕁麻疹様血管炎」という別の病気の可能性があるため、皮膚の一部を採取して調べる検査を行うことがあります。この場合は皮膚科の先生に紹介いたします。

7. 治療薬

治療の基本は、症状を抑える薬を継続的に飲むことです。

① 抗ヒスタミン薬

眠くなりにくい「第2世代抗ヒスタミン薬」と呼ばれる飲み薬が治療の中心です。これにより、ヒスタミンの働きをブロックしてかゆみや赤みを抑えます。多くの患者さんはこの薬で症状をコントロールできます。

② 薬の増量・変更

通常の量で効果が不十分な場合、医師の判断で抗ヒスタミン薬の量を増やしたり(通常の2~4倍)、種類を変えたりします。また、胃薬の一種(H2ブロッカー)や抗ロイコトリエン薬といった別の種類の薬を組み合わせることもあります。

③ 専門的な治療

飲み薬でコントロールできない重症の場合は、オマリズマブという生物学的製剤と呼ばれる非常に強力な薬を使用することがあります。高い効果を期待できますが、価格が高額で、使用できる患者さんも限られます。まずは気軽にご相談ください。

④ ステロイド薬

症状が急激に悪化した時に限り、短期間だけステロイドの飲み薬を使うことがありますが、副作用のリスクがあるため長期間の使用は避けます。

8. 治療目標

慢性蕁麻疹の治療目標は、「薬を使っていれば症状が出ない状態」や「症状があっても生活に支障がない状態」を維持することです。 慢性蕁麻疹は多くのケースで自然に治癒する病気です。しかし、いつ治るかを正確に予測することは難しいため、症状が自然になくなるまでの間、薬を使って快適な生活を送れるようにコントロールし続けることが大切です。 症状が治まったからといって自己判断で急に薬をやめると再発することがあるため、医師と相談しながら数ヶ月~年単位で時間をかけて徐々に薬を減らしていきます。

9. 日常生活での注意点

薬による治療と合わせて、症状を悪化させる要因を避けることが大切です。

刺激を避ける

患部をかきむしらないようにしましょう。また、締め付けの強い服や下着は避けましょう。

薬の選び方

風邪薬や痛み止め(ロキソプロフェンやイブプロフェンなど)は蕁麻疹を悪化させることがあります。薬を使う際は医師や薬剤師に相談してください。

ストレス・疲労

ストレスや寝不足は症状を悪化させる大きな要因です。十分な睡眠と休養を心がけましょう。

飲酒・食事

アルコールや香辛料の強い食事は、血行を良くしてかゆみを増強させることがあるため、症状が強い時は控えめにしましょう。

温度変化

熱いお風呂や急激な温度変化もかゆみの原因になります。

10. 経過と見通し

慢性蕁麻疹は、一生続く病気ではありません。多くの患者さんで、時間の経過とともに自然に治癒します。 平均的な病気の期間は2年から5年程度です。治療を開始してから1年以内に、約30~50%の患者さんで症状が消失(寛解)すると言われています。 ただし、症状が重い場合などは治るまでに少し時間がかかる傾向があります。 根気よく治療を続けることで、症状のない普段通りの生活を取り戻すことができます。

当院ではアレルギー学会の専門医資格を持った医師が治療にあたります。
千葉(幕張)で蕁麻疹(慢性蕁麻疹)にお困りのかたは、是非「こあら内科クリニック」にご相談下さい!

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