混合性結合組織病
1. 混合性結合組織病とは
膠原病という免疫の病気には様々な種類があります。それぞれの病気によって、障害を受けやすい臓器は異なり、その結果症状の出方も様々です。その一方で、一つ一つの病気は有病率が低い稀な病気なため、二つの膠原病を同時にひとりの患者さんで発症することは稀です。しかし、この混合性結合組織病は「抗U1-RNP抗体」という自身の体を攻撃する物質が体につくられることで、様々な膠原病の症状が同時に現れる病気になります。
具体的には「全身性エリテマトーデス」「強皮症」「多発性筋炎・皮膚筋炎」「関節リウマチ」など様々な膠原病の症状が同時に出現します。
2. 混合性結合組織病はどのような方がなりやすいか・どうして発症するか
性別では女性に多い病気で、女性は男性の10倍以上なりやすいとされています。
年齢は若年~中年女性が多いですが、お子さんからご高齢な方まで様々な方が発症する可能性があります。
自身の体の中で「抗U1-RNP抗体」という自身の体を攻撃する物質が体につくられることで病気を発症します。この物質がどうして作られるかは明らかになっていません。遺伝をする病気ではありませんが、家系的にこの病気を起こしやすい体質をもつ方はいます。
3. 混合性結合組織病の症状
〇 レイノー現象・手指の腫れ
混合性結合組織病の方のほとんどは「レイノー現象」の症状を起こします。寒い時に指の血流が悪くない、青紫~白色などに変化します。均一に出現するのではなく、指によって症状の出方が異なることが多い印象です。
また、指から手にかけて浮腫むことがあり「ソーセージ様腫脹」と言われることがあります。こちらも混合性結合組織病の方の多くが起こす病気です。
〇 肺高血圧症
混合性結合組織病の方の一部は「肺高血圧症」という病気を起こします。心臓から肺に行く血管(肺動脈)が硬くなり細くなることで、十分な血液が肺に流れることができなくなり、息切れ・呼吸困難や足のむくみを引き起こします。病気の初期から見逃さないために、定期的な心臓超音波検査がおすすめです。肺高血圧症を起こした場合には、血管を広げる薬などを使用します。
〇 三叉神経障害
混合性結合組織病の方の一部は「三叉神経障害」という病気を起こします。これは顔の感覚を感じる神経がダメージを受ける病気で、顔面にピリピリした痛みや味覚障害などを起こします。顔の神経は、右半分と左半分で別々の神経が担っているため、顔の半分だけ(右半分または左半分)症状がでるのが特徴です。
〇 全身性エリテマトーデスに似た症状
患者さんによっては、全身性エリテマトーデスに似た症状を起こすことがあります
詳しくは「全身性エリテマトーデス」
〇 全身性強皮症に似た症状
患者さんによっては、全身性強皮症に似た症状を起こすことがあります
詳しくは「全身性強皮症」
〇 多発性筋炎・皮膚筋炎に似た症状
患者さんによっては、多発性筋炎・皮膚筋炎に似た症状を起こすことがあります
詳しくは「多発性筋炎・皮膚筋炎」
4. 混合性結合組織病の診断基準
日本では以下の診断基準を用いて混合性結合組織病の診断を行います。
【診断基準】
1. 共通所見 「①レイノー現象」 「 ②手指ないし手背の腫脹」
2. 免疫学的所見:抗U1-RNP抗体が陽性
3. 特徴的な臓器所見
① 肺動脈性肺高血圧症 ② 無菌性髄膜炎 ③ 三叉神経障害
4. 混合所見
(1) 全身性エリテマトーデス様所見
① 多発関節炎 ② リンパ節腫脹 ③ 顔面紅斑 ④ 心膜炎又は胸膜炎
⑤ 白血球減少又は血小板減少
(2) 全身性強皮症様所見
① 手指に限局した皮膚硬化 ② 間質性肺疾患 ③ 食道蠕動低下又は拡張
(3) 多発性筋炎/皮膚筋炎様所見
① 筋力低下 ② 筋原性酵素上昇 ③ 筋電図における筋原性異常所見
【診断のカテゴリー】
- 確定診断1:「1の1所見以上が陽性」かつ「2が陽性」かつ「3の1所見以上が陽性」
- 確定診断2:「1の1所見以上が陽性」かつ「2が陽性」かつ「4の2項目で1所見以上が陽性」
※厚生労働省「難病情報センター」より
5. 特定疾患の申請について
混合性結合組織病は国の指定難病に該当する病気で、「指定難病医療費助成申請」を行い認定をうけることで、この病気に対する治療費用については国からの補助をうけることができようになります。ただし認定を受けるためには「混合性結合組織病の診断と重症度」が認定基準を満たす必要があります。
認定を受けるために必要な書類は複数ありますが、その中でも「臨床調査個人票」は主治医の先生に書いてもらう必要があります。混合性結合組織病の患者さんで、ご自身が医療費助成を満たすか気になる方や、申請について気になる方は、主治医先生にご相談ください。
※ 臨床個人調査票に関わる文章料は公費助成の対象にはなりません
※ 書類を提出しても認定されるかは審査結果によります
6. 混合性結合組織病の治療
症状の出方と重症度によって治療方法は大きく変わります。
レイノー現象のみの場合には、軟膏や血管を広げるお薬のみの治療で問題ありません。
大切な臓器まで病気が出現してしまう場合には、免疫抑制治療を行うことが多いです。実際に使用する薬としては「副腎皮質ステロイド薬」や「その他の免疫抑制薬」を用いることが多いです。ただし、混合性結合組織病では様々な臓器に症状が出現し、症状にあった治療薬を選択するため、その治療方法も多岐にわたります。
当院では膠原病内科の専門医と指導医の資格を持った医師が治療にあたります。
千葉で混合性結合組織病の診断・治療が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談下さい!
