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生物学的製剤とJAK阻害薬

関節リウマチの治療は、メトトレキサートなどの飲み薬を土台として始めます。しかし、病気の勢いが強すぎる場合や、従来の飲み薬だけでは炎症を完全に抑えきれない場合には、関節の破壊が進むのを防ぐために、より強力な薬が必要となります。

それが、「生物学的製剤」と「JAK阻害薬」です。これらは、病気の原因である免疫システム全体を広く抑えるのではなく、炎症を引き起こす特定の物質(サイトカインなど)をピンポイントで抑えるように作られています。

これらの薬を上手に使うことで、関節リウマチの多くの患者さんは病気を抑えることができるようになります。

1. TNFα阻害薬 (抗TNFα受容体抗体)

関節リウマチの炎症において、中心的な司令塔のような役割を果たす「腫瘍壊死因子(TNF-α)」という炎症の物質の働きをブロックする薬です。

<特徴と効果>

非常に高い効果があり、歴史的にも関節リウマチの治療の進歩に大きく貢献しました。メトトレキサートと併用することで真価を発揮し、薬の効き目が弱くなるのを防ぎ、また効果を長く維持できることが知られています。

 

<具体的な薬の種類と特徴>

〇 インフリキシマブ(レミケード®)

 <投与方法>

  ・8週間の間隔で点滴で投与します

    (初回だけ2週間後と6週間後に投与して薬を馴染ませます)

 <特徴>

  ・生物学的製剤の中では古くから使用されてきた薬です

  ・唯一の点滴から投与される抗TNFα阻害薬です

  ・バイオシミラー(ジェネリック)があり比較的価格を抑えた治療が可能です

  ・強直性脊椎炎など他の膠原病の病気の治療に用いられることもあります

 

〇 アダリムマブ(ヒュミラ®)

 <投与方法>

  ・40mg(1本)を2週間に1回皮下注射します。効果不十分の場合は80mgまで増やすこともできます

 <特徴>

  ・バイオシミラー(ジェネリック)があり、生物学的製剤の中では最も価格が安く使用できる薬のひとつです

  ・脊椎関節炎(乾癬性関節炎や強直性脊椎炎など)にも広く使われる薬です

 

〇 エタネルセプト(エンブレル®)

 <投与方法>

  ・25~50mg(1本)を1週間に1回皮下注射します

    (10~25mgを1週間に2回皮下注射する方法もあります)

 <特徴>

  ・バイオシミラー(ジェネリック)があり、生物学的製剤の中では最も価格が安く使用できる薬のひとつです

  ・生物学的製剤の中では、妊娠している方でも比較的安全に使用できる可能性がある薬と言われています

 

〇 ゴリムマブ(シンポニー®)

 <投与方法>

  ・50mg(1本)を4週間に1回皮下注射します。効果不十分の場合には100mgに増やすことができます

 <特徴>

  ・投与間隔が長いため、注射の負担を減らすことができます

 

〇 セルトリズマブ ゴペル(シムジア®)

 <投与方法>

  ・200mg(1本)を2週間に1回皮下注射します。

    (400mgを4週間に1回皮下注射する方法もあります)

 <特徴>

  ・生物学的製剤の中では、妊娠している方でも比較的安全に使用できるとされています

    ※ 妊娠末期まで使用していた場合、生まれた赤ちゃんの生ワクチン接種時期に変更が必要です

 

〇 オゾラリズマブ(ナノゾラ®)

 <投与方法>

  ・30mg(1本)を4週間に1回皮下注射する

 <特徴>

  ・日本で開発された薬剤で、2022年に発売した最新の抗TNFα阻害薬製剤です

  ・効果発現が早く、また長期に薬の効果が続くことが知られています

    (場合により8週間間隔で投与した際の効果も報告されています)

2. IL-6阻害薬(抗IL-6受容体抗体)

 IL-6という物質は、関節リウマチだけでなく感染症などでも上昇する、体の中で炎症を強く促す物質です。IL-6阻害薬は、このIL-6が免疫細胞に炎症の指示を出す窓口(受容体)を塞ぎ、炎症の信号を止めることで効果を発揮します。TNFα阻害薬とは全く違った、特徴的なメリットとデメリットがあります。

 

 <IL-6阻害薬共通のメリット>

  ・「リウマチ因子や抗CCP抗体が陰性の方」「ご高齢な方」「大きな関節が痛む方」「CRP(炎症)が高い方」などに特に高い効果が期待できます

  ・生物学的製剤のなかでは、価格も比較的安いです

  ・AAアミロイドーシスという、関節リウマチ患者さんに合併する重症疾患を防ぐ効果が高いです

    AAアミロイドーシスとは

 

 <IL-6阻害薬共通のデメリット>

  ・この薬を投与している際には、ばい菌に感染した際にわかりにくくなる(血液検査でCRPが上がらなくなる

)ため、診察する医師側も知識と経験が必要とされます

    (体調が悪いときには、必ずこの薬を使い慣れている医師の診察を受けてください)

  ・この薬特有の副作用がでることがあります (血球減少肝障害腸管穿孔など)

 

〇 トシリズマブ (アクテムラ®)

 <投与方法>

  ① 注射:162mg(1本)を2週間に1回皮下注射します

  ② 点滴:4週間に1回、1時間程度かけて点滴で投与します

 <特徴>

  ・生物学的製剤の中では比較的価格が安いことが特徴です

  ・そのほかの特徴は「IL-6共通のメリット、デメリット」を参照ください

 

〇 サリルマブ (ケブザラ®)

 <投与方法> 200mg(1本)を2週間に1回皮下注射します。場合により150mgに減量します

 <特徴>

  ・アクテムラの注射製剤よりも効果が高いことが示されています

    → アクテムラでの効果が不十分な患者さんは、変更することでよりリウマチ改善が期待できます

  ・そのほかの特徴は「IL-6共通のメリット、デメリット」を参照ください

 

3. T細胞共刺激阻害薬

 該当する薬は「アバタセプト(オレンシア®)」のみです。TNF-αやIL-6といった炎症に関わる物質を直接抑えるのではなく、T細胞という免疫細胞が炎症の反応を始めるために必要な「活性化のスイッチ」が入るのを抑えることで、炎症の連鎖を早いたインニングで断ち切る薬です。

 

〇 アバタセプト (オレンシア®)

 <投与方法>

  ① 注射:125mg(1本)を2週間に1回皮下注射します

  ② 点滴:4週間に1回、30分程度かけて点滴で投与します

 <特徴>

  ・最も大きなメリットが感染症に対する安全性です。生物学的製剤の中では、薬の有効性を保ちながら、感染症のリスクを最小限に管理できます。

  ・特に肺の感染症(肺炎)に対して安全なため、ご高齢な方肺の病気を持っている方(間質性肺炎など)には特におすすめです

 

4. JAK阻害薬

 ・「分子標的型抗リウマチ薬(tsDMARD)」とも呼ばれる最新の薬です

 ・生物学的製剤と同じように関節リウマチを抑える強い効果があり、また飲み薬で続けやすいことが特徴です

 ・価格が比較的高額なこと、帯状疱疹になりやすいことが共通のデメリットです

 ・心臓病(心筋梗塞など)や悪性腫瘍のリスクが上がりやすいとされており注意が必要です

 

〇 トファシチニブ (ゼルヤンツ®)

 <投与方法> 5mgを1日2回内服します

 <特徴>

  ・JAK阻害薬の中では比較的価格が安いです

 

〇 バリシチニブ (オルミエント®)

 <投与方法> 4mgを1日1回内服します。患者さんの状態に応じて2mgに減量することができます

 <特徴>

  ・1日1回の内服で済むため、続けやすいです

  ・良く効いている時には半分(2mg)に減量することができ、費用を抑えた治療の選択肢が増えます

 

〇 ペフィシチニブ (スマイラフ®)

 <投与方法> 150mgを1日1回内服します。患者さんの状態に応じて100mgに減量することができます

 <特徴>

  ・1日1回の内服で済むため、続けやすいです

  ・肝臓で分解されるため、腎臓の機能が低下している患者さんでも使用しやすいです

 

〇 ウパダシチニブ (リンヴォック®)

 <投与方法> 15mgを1日1回内服します。患者さんの状態に応じて7.5mgに減量することができます

 <特徴>

  ・1日1回の内服で済むため、続けやすいです

  ・他のJAK阻害薬よりも多くの経路を抑えることができます

  ・脊椎関節炎(乾癬性関節炎や強直性脊椎炎など)や巨細胞性動脈炎など様々な膠原病でも使用されます

 

〇 フィルゴチニブ (ジセレカ®)

 <投与方法> 200mgを1日1回内服します。患者さんの状態に応じて100mgに減量することができます

 <特徴>

  ・1日1回の内服で済むため、続けやすいです

  ・帯状疱疹のリスクが他のJAK阻害薬よりも少ないとされています

 

当院では生物学的製剤を含めた最新の薬まで使用して関節リウマチ治療に当たります。千葉で関節リウマチの治療が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談下さい!

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