病気の勢いを測る血液検査(炎症反応(CRP)やMMP-3について)
関節リウマチは、関節だけでなく、体全体に慢性の炎症を引き起こす病気です。
治療の目的は、この炎症をできるだけ抑え込み、関節の破壊や、心臓病などの全身で起きる合併症を防ぐことです。
炎症の「勢い」や「活動性」が今どれくらい強いのかを数値で把握するために、病院で定期的に利用するのが、血液検査で測定される「炎症反応」と言われる「CRP(C反応性たんぱく)」という数値です。
1. CRP(炎症反応;C反応性タンパク)の役割
CRPは、体の中で炎症が進行しているときに、特に肝臓などで作られるタンパク質や、血液中の細胞の変化を捉えることで、体の中の炎症の程度を客観的に示す指標となります。関節リウマチが活動的(病気の勢いが強い)な状態にある患者さんでは、CRPの数値が高くなります。
CRP (C-reactive protein)
CRPは、炎症が始まってから比較的早く上昇し、炎症が治まれば早く低下するという特徴があります。このため、CRPは関節リウマチの病気の活動性を測る客観的な指標として広く用いられています。
・優位性:CRPは、他の指標(赤血球沈降速度;ESR)とは異なり、貧血などの影響を受けにくく、測定方法が標準化されているため、病気の活動性を測る指標として広く使われています。
・治療効果のモニタリング:治療を開始したり、薬を変更したりした後に、CRPの数値が下がるかどうかを確認することで、治療が効果を発揮しているかを判断する重要な手がかりとなります。
2. なぜこれらの検査が重要なのか?
これらの炎症の指標は、関節リウマチの治療方針を決定する上で非常に重要です。
活動性と将来の破壊の予測
CRPが高い状態が続くと、それは体内で炎症が抑えられていないことを意味しています。炎症が継続していると、関節の軟骨や骨が破壊される関節破壊(骨びらん)が進行するリスクが高まります。したがって、CRPが高い患者さんは、そのままほおっておくことがないように注意していただき、私たち医師もより炎症を抑えられるような治療方法を提案します。
総合的な病態評価の一部として
CRPは単独で病気のすべてを語るわけではありません。関節リウマチの病気の活動性は、関節の腫れ(腫脹関節数)や圧痛(圧痛関節数)、そして患者さんご自身の痛みの感覚(患者の全般評価)など、複数の臨床指標と組み合わせて評価されます。
例えば、「DAS28(Disease Activity Score using 28 joints)」や「SDAI(Simplified Disease Activity Index)」といった、複数の数値をもとに関節リウマチの活動性を数値で示す計算式の一部としてCRPが組み込まれています。
詳しくは「15.疾患活動性の評価と「寛解」の目標」で説明しています。
3. CRPの限界と注意点
CRPは非常に有用ですが、いくつかの限界もあります。
・リウマチ以外でも高値になる:CRPの上昇は、関節リウマチに限らず、感染症、他の炎症性疾患、悪性腫瘍、さらには腎臓病や肥満など、さまざまな健康上の問題によっても引き起こされます。このため、CRPが高くても、それが直ちに関節リウマチの活動性が高いことを意味するわけではなく、他の原因がないかを確認する必要があります。時にはCRPが高い理由について判断に悩むこともありますが、その際には重要な病気(命に係わる病気・緊急に治療が必要な病気)から可能性を考えていくことが大切になります。
・CRPが正常値でも関節リウマチの活動性がある可能性: 活動性の関節リウマチ患者様の約半数では、CRPが上昇しないことがあります。特に、小さい関節が腫れている場合などは、関節だけでみると大きな炎症だったとしても、CRPとして全身の炎症でみると数値が上がらないことがあります。その場合もほおっておくことで関節の変形が進行することがあるため、「CRPが低いから安心して大丈夫」とはなりません。
その他にも、特定の種類の治療薬(アクテムラやケブザラ)を使用している場合は、CRPの数値が病気の良し悪しとは関係なく低下したり、正常化することがあるため、注意が必要です。
4.MMP-3の役割
MMP-3は関節リウマチの診断や炎症活動性を示すために広く使われている血液検査のひとつです。「関節破壊がどれだけ進むか」を予測することができる数値であり、また治療することで低下することから関節リウマチの勢いを判断する指標にもなります。
・MMP-3とは:体の中で、コラーゲンや軟骨などの結合組織を分解する酵素の一つです。関節リウマチは慢性的な炎症によって軟骨や骨を破壊することがありますが、この破壊する過程で作用すると言われています
・MMP-3が高い時には:MMP-3は、初期の関節リウマチにおいて、測定後6か月間の関節破壊の程度を予測するマーカーであると言われています。
・治療の効果判定:MMP-3は関節リウマチの治療で低下することから、現在の関節リウマチの治療がうまくいっているかを判断するための指標にもなると言われています。
5.まとめ
したがって、毎回の採血によるCRPは病気を判断する指標としてわかりやすく大切な一方で、CRPのみで判断するのではなく、同時に診察時の関節の腫れや痛みなどを含めて総合的に評価することが大切になります。
当院では炎症反応の検査を病院内で行っており、数分間で結果が出ます。診断時にも治療時にもすぐに結果を確認できることが大きなメリットです。千葉で関節リウマチの診断・治療が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談下さい!
