メニュー

痛風・偽痛風

痛風」や「偽痛風」は、体の中で作られた「結晶」が関節にこびりつき(沈着し)、激しい炎症を引き起こす病気です。原因が似ていることから、これらの病気をまとめて「結晶性関節炎」と呼びます。

急性期(発作時)の症状が関節リウマチに似ていることがあるため、区別を見分けることが大切です。

この二つの病気は、特に症状が急に出現した場合や、複数の関節に同時に起こった場合に、関節リウマチと間違われることがあります。

1. 痛風とは

痛風は、体の中で「尿酸」が増えすぎた結果、血液中で溶けきれなくなった尿酸ナトリウム結晶が、関節やその周りの組織に沈着し、激しい炎症発作(痛風発作)を引き起こす病気です。

痛風の症状の特徴(関節リウマチとの違い)

痛みの性質と経過:痛風発作の多くは一つの関節のみで起きます。またこの炎症は非常に強く、痛みも非常に強いため、腫れた関節にシーツが触れることすら耐えられないほどです。

痛くなる関節:初期の痛風発作の少なくとも80%は「足の親指の付け根の関節(第一中足指節関節;MTP関節)に起きるとされています。関節リウマチもMTP関節で関節炎を起こすことはありますが、頻度の面でもこの関節に痛みがでたら痛風の可能性が高いと言えます。

自然治癒と再発:痛風発作は、たとえ治療を行わなくても数日から数週間でほぼ必ず完全に治まります。この関節の痛みが治まっている期間を「発作間欠期」と呼びますが、この期間は通常、症状が全くありません。発作が自発的に治まるというパターンは、関節リウマチや他の免疫によって引きこされる関節炎では珍しく、痛風や偽痛風などの結晶性関節炎の大きな特徴です。

慢性の経過:治療せずに放置していると、発作の頻度がどんどん増えていき、発作間欠期が短くなり、常に複数の関節が痛み腫れる状態を引き起こすことがあります。また、結晶は関節だけでなく、関節の周りの柔らかい組織にも沈着していき、「痛風結節」という結晶の塊の硬いコブを作ることがあります。これが関節を破壊したり、ひどい場合には皮膚を突き破って外まで突き出すことがあります。

血液検査と診断:血液中の尿酸値が高いこと(高尿酸血症)は痛風を起こす患者さんでみられることが多いですが、ここで注意が必要です。痛風発作を引き起こした時には尿酸値が正常になることもあるため、尿酸値だけでは判断ができません。また、痛風発作は尿酸値が大きく変化したときに起こしやすいとされていますが、尿酸値が大きく上がった時だけでなく、尿酸値が大きく下がった時にも痛風発作を引き起こす点に注意が必要です。具体的には尿酸を下げるための薬を始めた直後のタイミングなども痛風発作を起こしやすいとされています。より正確な診断方法としては、関節を針でさして関節液を採取し、顕微鏡で針状の結晶を見つける方法がありますが、関節を傷つけるリスクや感染症のリスクなどがあります。

2. 偽痛風とは

偽痛風は、正式には「急性ピロリン酸カルシウム(CPPD)結晶関節炎」と呼ばれます。これは、ピロリン酸カルシウム結晶が関節の軟骨や滑膜に沈着し、炎症を引き起こす病気です。

以前は、症状が痛風に似ていることから偽の痛風として「偽痛風」という伝統的な名前で呼ばれていました。

偽痛風の症状の特徴(関節リウマチとの違い)

発症時期と痛くなる関節:偽痛風は主に高齢者(特に65歳以上)に多く見られます。発作の多くは、ひとつ~数個の関節に起こり、特に膝の関節に一番多く痛みがでます(急性発作の50%以上が膝関節で起きるとされています)。その他にも、手首・肩・足首・肘などの大きな関節に症状が出やすいとされています。

 

関節リウマチに似た慢性の炎症:偽痛風の患者さんの一部には「慢性ピロリン酸カルシウム結晶関節炎」(旧名:偽関節リウマチ)と呼ばれるタイプがあり、これは関節リウマチといくつかの点で似ています。

 1) 症状の類似点:この慢性型では、強い朝のこわばり疲労感滑膜の肥厚(関節が柔らかく腫れる)、関節の動きの制限が見られ、これらは関節リウマチと非常に似ています。

 2) 痛みを起こす関節の類似点:慢性ピロリン酸カルシウム結晶関節炎は、手の関節(特に第2・第3中手指節関節(MCP関節))や手首に症状がでることがあり、これも関節リウマチのよく症状がでる関節と一致します

 3) 血液検査:関節が腫れたタイミング(急性期)には、CRPなど炎症反応が上昇することがあります。また、高齢者では健康な方でもリウマチ因子(RF)が陽性になることがあるため、診断がさらに複雑になることがあります。

 

・関節液による見分け方偽痛風の診断も、関節を針で刺して内部の関節液を採取して、顕微鏡で結晶を確認することで確定診断を行うことができます。ただし関節を傷つける可能性や、関節の感染症を起こす可能性などのリスクがあります。

画像検査の重要性:偽痛風の診断に大きく役立つものが、画像検査による石灰化の確認です。関節のレントゲン検査では、関節の軟骨に沿って線状または点状の石灰化が見られることがあり、特に膝の半月板や手首の三角線維軟骨に見られやすいです。比較的大きな石灰化であればレントゲンで見つけることができます。関節超音波検査では、より小さな石灰化を見つけることができることができます。関節リウマチでは、通常は軟骨の石灰化は起こしません。

3. 痛風・偽痛風と関節リウマチを見分けるポイント

これらの結晶性関節炎と関節リウマチの見分け方のまとめは以下です。

ただし、関節リウマチと同時に病気を発症する場合、進行した関節リウマチの合併症として発症する場合もあるため、見分けることが難しいことも多々あります。

 

特徴

痛風

偽痛風

関節リウマチ

発症の仕方

急性、強い1か所の関節炎

急性~亜急性、1か所~数か所の関節炎

ゆっくり出現する多くの関節炎

腫れやすい関節

足の親指の付け根

、手首、肩、足首

手の指(第2関節と指の付け根の関節)、手首

症状の対称性

左右ばらばら

左右ばらばら

左右対称的にでることが多い

発作の流れ

放置していても自然に治まる

通常は数日から数週間で治まる

持続的。治療なしでは治まらない

自己抗体(リウマチ因子や抗CCP抗体)

通常陰性

通常陰性

陽性になることが多い (70〜80%)

関節の破壊

骨びらん(パンチアウト像)

軟骨の石灰化や変形性関節症に似た変形

骨と軟骨のびらん。強い変形を起こす

 

痛風は放置することで症状が進行し、関節の痛みが治らなくなるだけでなく、尿酸の結晶によって心臓や腎臓の機能を悪くすることが知られています。

偽痛風も治療ができないと、発熱・消耗が多く、ご高齢な方がなりやすいことを含めて寝たきりになることもある危険な病気です。

結晶性関節炎は関節の変形は大きくない病気な一方で、放置することで様々な問題を起こす病気なので、ご心配がありましたらいつでもリウマチ専門医を受診ください。

 

当院では膠原病内科専門医が在籍しているため、関節リウマチに似た病気についての知識をもって治療にあたるため、安心してお任せいただけます。千葉で関節リウマチの診断・治療が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談下さい!

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME