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間質性肺炎

1. 間質性肺炎とは

肺は、私たちが呼吸をして酸素を体に取り込むための大切な臓器です。
肺の中には「肺胞(はいほう)」という小さな風船のような袋がたくさん集まっており、ここで酸素と二酸化炭素の交換を行っています。一般的な肺炎(微生物による肺炎)は、この風船の「中」にバイ菌が入って炎症を起こす病気です。
一方、「間質性肺炎」は、風船の「壁」の部分である「間質(かんしつ)」という場所に炎症が起こる病気です。
間質に炎症が起きると、壁が分厚く硬くなってしまいます(これを「線維化」と呼びます)。風船の壁が硬くなると、肺全体が硬く縮んでうまく膨らまなくなり、血液中に十分な酸素を取り込めなくなってしまいます

2. 間質性肺炎の種類

間質性肺炎は一つの病気ではなく、同じような症状を起こす多くの病気の総称です。
大きく分けると、「原因がはっきりしているもの」と、「原因がわからないもの」の2つに分かれます。原因がわからないものは「特発性間質性肺炎」と呼ばれます。これらは様々な分類がなされます。

特発性肺線維症

原因不明の中で最も多く、少しずつ肺が硬くなっていくタイプです。

非特異性間質性肺炎

肺が硬くなるよりも炎症が起きていることが主なタイプで、後述する自己免疫の病気が隠れていることがあります。

特発性器質化肺炎

風邪のような症状から始まり、治療する薬が比較的効きやすいタイプです。

喫煙に関連する間質性肺炎

タバコを吸う人に特有のパターンをとる間質性肺炎です。

急性に進行する間質性肺炎

数日から数週間で急激に肺の状態が悪くなる稀なタイプです。

3. 間質性肺炎を発症する方の特徴

間質性肺炎は、年齢を重ねるほど発症しやすくなる病気です。
原因不明の特発性肺線維症の場合、患者さんの多くは50代以上で、特に60代から70代の方に多く見られます。
また、女性よりも男性に多く、タバコを吸っていた人に発症しやすいという特徴があります。

4. 原因

間質性肺炎の原因はさまざまです。

環境や職業

鳥のフンや羽毛、カビ、家の中のホコリなどを吸い込むことでアレルギー反応が起きたり(過敏性肺炎)、アスベストや金属のチリなどを長期間吸い込むことで起こります。

お薬や放射線

一部の抗がん剤、抗生物質、漢方薬などの副作用や、放射線治療の影響で起こることがあります。

膠原病

私たちの体を守るはずの免疫が間違って自分の体を攻撃してしまう膠原病では、膠原病のない方と比べて、高頻度で間質性肺炎を起こします。またかかっている膠原病の種類によって、どのような間質性肺炎を起こすかの特徴が異なります

関節リウマチ

関節が腫れて痛む病気です。
  → 詳しくはこちら「関節リウマチ」へ
リウマチの患者さんの10〜50%の間質性肺炎が合併します。特にタバコを吸う男性に多く見られます。
関節リウマチで使われる薬(メトトレキサート)の副作用でも間質性肺炎が出現・進行するため、特に注意が必要です。
関節リウマチの患者さんは定期的な胸部レントゲン検査が推奨されます。

シェーグレン症候群

目や口が異常に乾く病気です。
 → 詳しくはこちら「シェーグレン症候群」へ
10〜25%の患者さんに間質性肺炎が合併し、数年かけてゆっくりと進行していくことが多いです。
定期的な胸部レントゲンが推奨されます

全身性強皮症

全身の皮膚や内臓が硬くなる病気です。
 → 詳しくはこちら「全身性強皮症」へ
強皮症の患者さんの約半数以上に間質性肺炎が合併すると言われています。
比較的ゆっくり進行するタイプの間質性肺炎が多いとされています。

多発性筋炎・皮膚筋炎

筋肉の力が入らなくなったり、特徴的な皮膚の赤みが出る病気です。
 → 詳しくはこちら「多発性筋炎・皮膚筋炎」へ
この病気の20〜80%の患者さんに間質性肺炎が合併します。
皮膚筋炎・多発性筋炎の中でも、どのような抗体が出ているかで間質性肺炎の重さが変わってきます。特に「抗MDA-5抗体」というタイプの方の場合は命に関わる重い間質性肺炎を起こすことがあるため注意が必要です。

5. 間質性肺炎を疑う症状

初期の頃は全く症状がないこともあります。
病気が進んでくると、以下のようなサインが現れます。

動いたときの息切れ

坂道や階段を登るとき、急ぎ足で歩いたときなどに息が切れます。年齢や運動不足のせいだと思い込んでしまうことがよくあります。

乾いた咳

痰が絡まない「コンコン」「ケンケン」といった咳が長く続きます。

ばち指

指の先端が太く丸く膨らむことがあります。

6. 間質性肺炎の検査

画像検査(レントゲン/CT検査)

まずは胸のレントゲンで間質性肺炎を確認します。
診断時には、より詳しく肺の状態を見るためには「高分解能CT」という特殊なCT検査を行います。肺が硬くなっている様子や炎症の程度、病気の種類を見分けることができます。
定期的な間質性肺炎の確認は、被ばく量の問題もあり、レントゲン検査を行うことが多いです。

血液検査

一般的な健康状態のほか、間質性肺炎の原因となる「膠原病」が隠れていないかを調べる特殊な検査(自己抗体の検査など)を行います。
また、「KL-6」や「SP-D」といった、間質性肺炎の勢いや重症度を示す血液検査を測ることもあります。

呼吸機能検査(肺活量などの検査)

間質性肺炎が出現・悪くなると、肺活量が低下します。これらを確認するために、呼吸機能検査を行います。
体に害がなく、簡便に行える検査です。

心臓の検査(心電図・心エコー)

息切れの原因が心臓の病気(心不全など)ではないことを確認します。
また、間質性肺炎が進むと肺の血管に負担がかかることがある(「肺高血圧症」と言います)ため、心電図や超音波検査で心臓の働きをチェックします。

気管支鏡検査

鼻や口から細い内視鏡を気管の奥に入れ、生理食塩水で肺の一部を洗って細胞を調べたり、肺の組織を小さくつまみ取ったりします。どの治療薬が効果的かの判定や、感染症など、他の病気が隠れていないかを確認するためにも行われます。

7. 治療方法

間質性肺炎の治療は、原因や肺の状態によって大きく異なります。

原因を取り除く

アレルギーの原因となる鳥やカビから離れたり、原因となっているお薬を中止したりします。これだけで良くなることもあります。

薬による治療

免疫を抑える治療(ステロイドや免疫抑制剤)

膠原病が原因の場合や、炎症が強いタイプの間質性肺炎には、免疫の働きを抑えるお薬を使います。間質性肺炎のタイプにより、免疫抑制治療の効果が出やすい方と、効果が出にくい方がいるため、その判断が重要になります。よく効いた場合には、間質性肺炎の進行を止めることができる可能性がある一方で、感染症のリスクが増えるため注意が必要です。

肺が硬くなるのを遅らせるお薬(抗線維化薬)

特発性肺線維症や、お薬を使っても肺が硬く進行してしまうタイプに対して使います。進行を止めることはできないとされていますが、病気の進行を若干遅らせることができます

症状を和らげる治療

在宅酸素療法

血液中の酸素が足りなくなってきたら、自宅でも酸素を吸入する機械を使って息苦しさを和らげます。

呼吸リハビリテーション

呼吸を楽にするための筋肉のトレーニングや、効率的な息の仕方を学びます。

肺移植

あらゆる治療を行っても病気が進行してしまい、年齢などの条件を満たす場合には、肺移植が検討されることがあります。

8. 間質性肺炎の患者さんが注意すること

日常生活の中で、ご自身で気をつけていただきたいポイントがいくつかあります。

絶対にタバコを吸わない(禁煙)

タバコは肺を傷つけ、病気を悪化させる最大の敵です。必ず禁煙してください。

感染症の予防

間質性肺炎の患者さんが風邪や肺炎にかかると、「急性増悪」といって、急激に肺の状態が悪化して命に関わることがあります。手洗い、うがい、人混みでのマスク着用を心がけ、インフルエンザや肺炎球菌、新型コロナウイルスなどのワクチンを主治医と相談して接種してください。

急な体調変化に注意

急に息苦しさが強くなった、咳が止まらなくなった、熱が出たなどの変化があれば、次回の予約を待たずにすぐに病院へ連絡してください。

胃酸の逆流を防ぐ

胃酸が食道を通って肺の近くまで逆流すると、肺を傷つける原因になると言われています。食べてすぐに横にならない、寝るときは少し上半身を高くするなどの工夫をしましょう

 

当院ではレントゲン検査のほか、クリニックとしては珍しい呼吸機能検査の検査機器があり、間質性肺炎の診断・評価を的確に行えます。
千葉(幕張)で間質性肺炎が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談ください。

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