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関節リウマチの診断はどのように進む?

関節リウマチの診断は、患者さんの体の状態を詳しく診る身体診察と、血液検査画像検査の結果を総合的に判断することで確定されます。この病気の関節破壊を防ぐには、できるだけ早く正確な診断をつけ、治療を始めることが極めて重要です。

診断の決め手:関節の炎症(滑膜炎)の確認

まず、関節に炎症(滑膜炎)があるかどうかを診察で確認します。滑膜炎とは、関節の内側の膜が腫れている状態で、触るとぶよぶよとした感触(滑膜肥厚)として感じられます。痛みがあるというだけでは不十分で、関節が腫れているということが重要です。

診察で炎症の有無がはっきりしない場合や、症状が軽度なとき、奥深い関節を評価したい場合には、画像検査(レントゲン検査や超音波検査)が非常に重要な役割を果たします。

血液検査

血液検査では

 ① 関節リウマチの体質をみる検査 (「リウマチ因子」と「抗CCP抗体」)

 ② 炎症の有無や病気の勢いをみる検査 (「CRP」)

の2つに分けられます。

それぞれ別の項目で詳しく説明をします。

 

 5.血液検査(1):診断に使う血液検査(自己抗体)

 6.血液検査(2):病気の勢いを測る血液検査(炎症反応:CRPなど)

関節超音波検査(エコー検査):診断で最も強力なツール

近年、関節リウマチの診断において「関節超音波検査(エコー)」が非常に重要になっています。具体的には、身体診察・レントゲン検査・MRI検査では見つけることのできない初期の関節炎を見つけることができ、早期診断に役立ちます。また治療においても、関節超音波検査で小さな関節炎を逃さずに治療すことができるようになります。

1. 炎症の確認(滑膜肥厚と活動性の評価)

関節超音波検査は、関節の炎症(滑膜炎)の程度や、腫れた範囲を評価するのに非常に優れています。

  • 滑膜肥厚の評価:関節の腫れは、実際は関節の中にある滑膜が腫れている(滑膜肥厚)ことを表します。滑膜がどの程度腫れて大きくなっているかを超音波検査で評価することができます。主には「グレイスケール」という白黒の画面で判断します。ただし滑膜の腫れは関節リウマチ以外でも起き、また炎症が落ち着いても残り続けることもあるため、下記の血流の評価と主に行います。
  • 活動性の評価: パワードップラーという機能を使うと、炎症が起こっている滑膜に流れる微細な血流の流れをみることができます。滑膜に血流が流れていることは、そこに炎症を起こしていることを表すため、「活動性のある滑膜炎がある」ということがわかります。このパワードップラー信号の強さ(血管の数や太さ)は、炎症の活動性の高さを反映しているため、治療効果を評価するためにも役立ちます。
  • 足や肩関節の評価:身体診察では(触れただけでは)腫れが分かりにくい深い部分にある、足の指の関節や肩関節については、特に関節超音波で滑膜炎のありなしを確認することが有用です

2. 骨の破壊(びらん)の早期発見

関節リウマチの特徴的な所見として「骨びらん(骨の削れ)」があります。これは滑膜でおきた大きな炎症が周りの骨を溶かすことで起きます。レントゲン検査で見つけることができるのですが、関節超音波検査の方が、より早くより小さな病変も見つけることができます。

手指レントゲン(X線)検査:構造的なダメージの確認

超音波検査のような高度な画像診断と並行して、レントゲン検査も行われます。レントゲン検査は、主に関節の長期的な構造の変化を評価するために使用されます。

1. レントゲンで確認できること

  • 初期のサイン: 病気の初期のレントゲン写真は正常であることが多いです。一応、初期に確認できる変化として、骨の密度が薄くなる関節周囲の骨減少症(骨粗鬆症の一種)が挙げられますが、正常なことも多いです。
  • 進行したサイン(診断を裏付ける所見): 関節リウマチが進行すると、関節の隙間が狭くなる(軟骨が失われたサイン)や、骨びらん(骨が削られたサイン)が見られます。特に手首の関節や、手指の関節にこれらの所見が表れることが多いです。関節の隙間の狭小化や関節の亜脱臼などが確認されれば、関節リウマチの診断を確定させることができますが、可能であれば関節変形が起きる前に治療を開始したいです。
  • 定期的な手指レントゲン検査:関節リウマチの患者さんは定期的にレントゲン検査を取ることをお勧めします。前回撮影したレントゲン結果と、現在のレントゲン結果を比べることで、その間の関節リウマチ治療が変形を抑えられたかどうかを評価できます。レントゲン検査で関節変形が進行しない状態を維持することが、関節リウマチ治療のひとつの目標になります。

胸部レントゲン(X線)検査:間質性肺炎合併の確認

一見すると、関節リウマチは関節の病気なので、肺のレントゲン検査は関係なく感じる方も多いかもしれません。しかし実際は、関節リウマチの患者さんにとって命に係わる、最も重要な検査と言っても過言ではない検査です。

1. 関節リウマチは間質性肺炎を合併しやすい

関節リウマチの患者さんの多くは関節に症状がでますが、関節リウマチも膠原病(全身性の自己免疫疾患)のひとつなので、関節以外の臓器が攻撃されることがあります。関節リウマチの方が攻撃されやすい臓器が「肺(間質性肺炎)」「血管(悪性関節リウマチ)」「胸膜(胸膜炎)」です。

その中でも間質性肺炎は関節リウマチの約10~15%に合併するとされています。特に注意しなければならない点は間質性肺炎を合併している患者さんの半数が無症状なことです。気が付かない間に肺が攻撃されている可能性があるため、関節リウマチが疑われる患者さんは胸部レントゲン検査を行った方がよいと考えます。

2.間質性肺炎の怖さと治療に与える影響

間質性肺炎は年単位で少しずつ肺が破壊されていく病気です。破壊された肺はスカスカの状態(蜂巣肺)になり、呼吸ができなくなり、肺活量が低下していきます。大きく病気が進行してしまうと、呼吸ができなくなり、在宅酸素療法(自宅で行う酸素治療)が必要になることがあります。免疫を下げる治療で病気の進行を抑えることができるため、早期診断・早期治療が大切になります。

また、関節リウマチで最も使われる薬「メトトレキサート」は薬の影響でも間質性肺炎を引き起こすことが知られており、間質性肺炎を合併している患者さんに対する使用には慎重な判断が必要になります。そのため、診断時から事前に間質性肺炎のありなしを確認することで、安全な治療の選択が可能になります。

MRI検査(磁気共鳴画像法)

MRIは、超音波検査と同様に、骨びらんや滑膜炎を早期に検出できる検査方法です。ただし検査費用が高額なため、超音波検査などが行えない深い関節の評価に使用されることが多いです。

  • MRI検査での炎症の検出: MRIは、骨の中の炎症(骨髄浮腫)を検出するのに特に優れており、骨髄浮腫は将来的に骨びらんが発生することを予測するサインとなります。
  • 使用の判断: MRIは高価であり、 日常的な管理には推奨されていません。関節リウマチとしては頻度の多い関節ではありませんが、首の骨(頸椎)や股関節のような奥深い場所の炎症を詳しく調べる必要がある場合に検討します。

総合的な判断へ

これらの身体診察と血液検査・画像検査の結果を組み合わせて、関節リウマチの診断を行います。

関節リウマチは残念ながら完治する病気ではなく、病気を抑えた状態(寛解状態)を目指す病気です。一度下された診断が今後の人生に影響を与える病気なため、慎重に診断を行います。

 

当院ではリウマチ専門医と指導医の資格を持った医師が治療にあたります。千葉で関節リウマチが気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談下さい!

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