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関節リウマチ患者とワクチン接種・感染症

関節リウマチの治療では、病気の活動性を抑えるために免疫抑制薬を使用します。これらの薬は関節を守る上で必要不可欠ですが、同時に体の免疫力を低下させるため、関節リウマチの患者さんは重い感染症にかかるリスクが、病気のない人と比べて高いことが分かっています。

そのため、関節リウマチの患者さんはワクチンを接種することが非常に重要で、様々な学会で勧められています。

1. 関節リウマチ患者さんに特に推奨されるワクチン

関節リウマチ患者さんは、一般の方に推奨されるワクチンに加えて、以下の感染症に対するワクチン接種をお勧めしています。

季節性インフルエンザワクチン

  • 毎年必ず接種が推奨されます。

肺炎球菌ワクチン

  • 肺炎は関節リウマチ患者さんで発症、重症化リスクが高いため、推奨されます。
  • 千葉市では65歳の方を対象に費用助成があり無料接種が可能です(1回限り有効です)
  • 2回目以降は5年おきの接種が推奨されています。

帯状疱疹ワクチン

  • 免疫抑制薬を使われている関節リウマチ患者さんでは、帯状疱疹のリスクが増加します。
  • 不活化ワクチン(シングリックス®)の接種が推奨されます
    (生ワクチン(ビケン®)は免疫抑制患者さんは接種できません)

COVID-19ワクチン

  • 重症化、入院、死亡のリスクを減らすために、免疫抑制治療を受けている患者さんの接種が推奨されています。

2. ワクチン接種のタイミングと薬物治療の基本原則

免疫抑制薬を飲んでいる患者さんがワクチン接種を行う場合、いくつかの注意事項があります。当院かかりつけの患者さんは公式LINEからいつでもご相談が可能なので、遠慮なくお聞きしてください。

① 理想は治療開始前

免疫抑制薬や生物学的製剤を使用されていると、ワクチンの効果が落ちることが報告されています。そのため、もし可能であれば新しい抗リウマチ薬を始める前にワクチンを接種いただくのが一番よいと思われます。具体的には、不活化ワクチンの場合は新しい薬を始める2週間前に、生ワクチンの場合は4週間以上前に接種しておくのが良いとされています。

② 生ワクチンは原則禁忌

現在日本で使用されているワクチンには2種類あります。

1) 生ワクチン:病原体の毒性を弱めたもの。

2) 不活化ワクチン:病原菌の一部成分のみを抽出したり、模倣したもの。

生ワクチン免疫抑制薬を使用している方は接種してはいけません。生ワクチンには病原菌を少量とはいえ、体に接種するため、免疫力が低下している場合は病原菌が増えすぎてしまい、重症な感染症を起こす可能性があります。

③ メトトレキサートを飲んでいる場合には一時休薬を

メトトレキサートは関節リウマチ治療の要ですが、この薬はワクチンに対する体の防御力(抗体応答)のつき方をわずかに弱めてしまうことが知られています。そこで、一時的にメトトレキサートを中止した状態でワクチンを接種した方が、ワクチンの効果が上がることが複数の研究で示されています。

具体的には、ワクチンを接種した後のメトトレキサートを1週間~2週間休薬することが多いです。ただし、メトトレキサートを休止することで関節リウマチが再燃することもあるため、休薬するかは個々の患者さんの状態を考えて検討する必要があります。

必ず主治医の先生と相談のうえで休薬を検討してください。

※当院かかりつけの患者さんは公式LINEからいつでもご相談が可能なので、遠慮なくお聞きください。

④ その他の免疫抑制薬や生物学的製剤について

個々の薬や状況によっても異なり、また専門家によっても意見が分かれています。主治医先生にご確認ください。

5. 関節リウマチ患者さんが感染症にかかった際の対応

関節リウマチの患者さんが感染症にかかった場合には、薬により特別な対応が必要です。具体的な対応については、患者さんの状態・感染症の重さ・飲んでいる薬により異なりますが、当院での代表的な対応について説明します。

① 従来型合成抗リウマチ薬

  • 基本的には免疫力を大きく下げる効果まではないので、感染症にかかった場合でも続けていただくことが多いです。

② メトトレキサート

  • 免疫抑制薬なので、感染症にかかった際には、その週のメトトレキサートは休薬してください。
  • 1週間後に元気になっている場合はメトトレキサートを再開していいですが、まだ体調がすぐれない場合には2週間後も休薬してください。

③ プレドニゾロン(副腎皮質ステロイド)

  • 1日でも飲まない日があるととても体調が悪くなる(副腎不全)になるので、必ず毎日飲んでください。
  • 入院するレベルの重症な感染症にかかった際には、一時的にステロイドの量を増やすことがあります(ステロイドカバー)。軽症であれば行う必要はありません。

④ 生物学的製剤・JAK阻害薬

  • 免疫力を大きく下げるため、感染症にかかった際には一時的に薬を休薬してください。

繰り返しになりますが、これらはあくまで代表的な対応方法です。患者さんの状態・感染症の重さ・飲んでいる薬により異なるため、ご自身で判断されず必ず主治医先生にご相談してください。

当院かかりつけの患者さんは「公式LINE」からいつでもワクチンに関するご相談が可能です。遠慮なくお聞きください。

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