高尿酸血症・痛風
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痛風・高尿酸血症とは
痛風は、ある日突然、足の親指の付け根などが赤く腫れ上がり、激痛におそわれる病気です。「風が吹くだけでも痛い」ということから、その名がついたと言われています。しかし、痛風は単に「関節が痛くなるだけの病気」ではありません。適切な治療を受けずに放置すると、関節の変形や、腎臓病、心臓病などの深刻な合併症を引き起こすリスクがあります。
また、いざ痛風発作を起こしてからだとその後も発作を繰り返すため、尿酸値が高い状態(高尿酸血症)の時点での治療が重要になります。
このページでは、痛風や高尿酸血症の原因・症状、検査、そして最新の治療法について、特に患者さんが不安に思われることの多い「薬の副作用」や「心臓・腎臓への影響」を含めて詳しく解説します。
1. 痛風とは?なぜ起こるのか
〇 痛風とは/痛風発作とは
痛風の正体は、体の中で作られる「尿酸(にょうさん)」という物質です。尿酸は通常、血液に溶けて体外へ排出されますが、その濃度が高くなりすぎると(7.0mg/dLを超えると「高尿酸血症」)、血液中に溶けきれなくなります。 溶けきれなくなった尿酸は「結晶」となって、関節の中や周囲にたまっていきます。この結晶に対して体が反応し、激しい炎症(腫れや痛み)を起こした状態が「痛風発作」です。
〇 痛風の頻度
痛風は圧倒的に男性に多く、男性の患者数は女性の約3倍以上と言われています。
・男性の場合:30代からリスクが高まり、40代〜50代で発症することが多い傾向にあります。
・女性の場合:女性ホルモンには尿酸を体外に出す働きがあるため、閉経前の女性が痛風になることは稀です。閉経後は女性ホルモンが減るため尿酸値が上がり、60代〜70代以降で発症するリスクが男性と同様に高まるとされています。
〇 危険因子
・肥満:体重が増えると尿酸が作られやすくなり、排泄されにくくなります。
・食事・アルコール:レバーや干物などのプリン体が多い食事、砂糖入り飲料、そしてアルコール(特にビールや蒸留酒)の過剰摂取はリスクとなります。
・その他の病気:高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病、糖尿病などの生活習慣病を持っている方は、痛風になりやすいことが分かっています。
・薬剤: 利尿薬(おしっこを出しやすくする血圧の薬など)や、少量のアスピリンなどは尿酸値を上げることがあります。
ただし、高尿酸血症・痛風は生活習慣だけでなく遺伝的な要素も大きいとされています。その場合は生活習慣に気を付けても改善が得られず、薬の治療が必要になることもあります。
2. 痛風の症状:痛風発作から慢性化まで
痛風の症状は、時期によって大きく3つの段階に分けられます。
① 急性痛風発作(激痛の時期)
ある日突然、関節が激しく痛み、赤く腫れ上がり、熱を持ちます。
・場所:最も多いのは足の親指の付け根(第一中足趾節関節)で、最初の発作の約80%は一つの関節だけで起こります。足の甲、足首、膝などに起こることもあります。
・タイミング:夜間や早朝に起こりやすく、発症から12〜24時間以内に痛みのピークを迎えます。布団が触れるだけでも痛いほどの激痛です。
・経過:不思議なことに、治療をしなくても数日から数週間で痛みは自然に治まります。しかし、治ったからといって病気が治癒したわけではありません。
② 発作がない時期(無症候期)
発作が治まると、全く症状のない期間が続きます。これを「発作間欠期」と呼びます。しかし、治療をせずに放置していると、体の中では尿酸の結晶が静かにたまり続けています。時間が経つにつれ、次の発作までの間隔が短くなり、発作が頻繁に起こるようになります。
③ 慢性結節性痛風(慢性化・重症化)
治療を長年放置すると、関節や皮下に「痛風結節」と呼ばれるコブのようなものができます。
3. 検査と診断
〇 血液検査
「血清尿酸値」を測定します。通常、尿酸値が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と診断されます。
【重要な注意点】 痛風発作の最中は、痛みや炎症の影響で、一時的に尿酸値が「正常範囲」まで下がってしまうことがあります。そのため、発作中に尿酸値が正常だからといって「痛風ではない」とは言い切れません。
〇 超音波検査(エコー検査)
関節の軟骨の上に、尿酸の結晶が溜まっている様子(ダブルコンターサイン)がみられることがあります。
〇 レントゲン
初期の痛風では骨の変化は見られませんが、進行して骨が削れていないかを確認するために行います。
4. 治療
高尿酸血症の治療
〇 尿酸を下げる薬は、下げ方によっていくつかの種類があります
・尿酸の生成を抑える薬:アロプリノール、フェブキソスタットなど。
・尿酸の排泄を促す薬:プロベネシド、ベンズブロマロンなど。
〇 治療の目標
・高尿酸血症の治療目標は患者さんによっても変わります
-痛風結節がある方:尿酸値5以下
-痛風発作を起こしたことがある方:尿酸値6以下
-心血管系の病気がある方/腎臓の数値が悪い方:尿酸値8以下
-無症状で心血管系や腎臓が正常な方:尿酸値9以下
痛風の治療
・痛風の治療は、「発作の治療」と「尿酸値を下げる治療」の2段階に分けて考えます。
〇 ステップ1:痛風発作の治療(まずは炎症を抑える)
・発作が起きているときは、まず痛みと炎症を抑えることが最優先です。
1. 痛み止め:NSAIDsと呼ばれるロキソプロフェンなどの鎮痛薬を使います。腎臓の機能が低下している方や、胃潰瘍のある方、高齢者では副作用に注意が必要です。
2. コルヒチン:発作の予兆があるときや発作の初期に飲むと効果的です。
3. ステロイド(副腎皮質ホルモン):効果は強いですが長く使用すると副作用も大きいです。発作の時の短期間で使用することが多いです。
〇 ステップ2:尿酸値を下げる治療
高尿酸血症の治療と同様に、以下の薬を組み合わせて治療します。
・尿酸の生成を抑える薬:アロプリノール、フェブキソスタットなど。
・尿酸の排泄を促す薬:プロベネシド、ベンズブロマロンなど。
【重要】痛風発作の最中に急に尿酸値を下げる薬を飲み始めると、かえって発作が悪化したり長引いたりすることがあります。尿酸を下げる治療は、発作が完全に治まってから開始するのが原則です(すでに飲んでいる人は、そのまま飲み続けます)。
5. 心臓や腎臓に対する影響
腎臓への影響
① 痛風そのものが腎臓に与える影響
尿酸値が高い状態が続くと、腎臓にも尿酸の結晶がたまり、腎臓の働きを悪くすることがあります(痛風腎)。また、尿酸は尿路結石の原因にもなります。したがって、尿酸値を適切にコントロールすることは、腎臓を守ることにつながります。
② 薬と腎臓の関係
・痛み止め:発作止めとして使うNSAIDsは、腎臓の血流を減らす作用があるため、もともと腎機能が低下している方や高齢者では腎機能が悪化するリスクがあります。
・アロプリノール:古くから使われている薬ですが、腎臓の機能が低下している方では薬の成分が体にたまりやすいため、投与量を減らして慎重に使う必要があります。
・フェブキソスタット:肝臓で代謝されるため、軽度〜中等度の腎機能低下がある患者さんでも、比較的安全に使用できるとされています。
心臓への影響
① 痛風と心血管疾患の関係
痛風の患者さんは、高血圧、脂質異常症、糖尿病などを合併していることが多く、これらはすべて動脈硬化を進め、狭心症や心筋梗塞などの心臓病のリスクを高めます。痛風の治療だけでなく、これらの生活習慣病をトータルで管理することが、心臓を守るために非常に重要です。
② フェブキソスタットと心血管リスクについての議論
近年、尿酸降下薬の一つである「フェブキソスタット」について、心血管疾患(心臓病など)との関連が議論されました。過去に行われた一部の研究で、アロプリノールと比べてフェブキソスタットを使用している患者さんで心血管死のリスクが高い可能性が報告されましたが、その後の大規模な研究では、フェブキソスタットがアロプリノールと比較して心血管リスクを高めるという結果は出ませんでした。現在では過度に恐れる必要はないと考えられています。
6. 日常生活でできること
薬物治療だけでなく、生活習慣の改善も大切です。ただし、極端な食事制限だけで尿酸値を正常化するのは難しいため、薬と併用して行うのが一般的です。
- 体重管理
肥満は痛風の大敵です。適正体重を目指して減量することで、尿酸値が下がることが期待できます。
- アルコールを控える
ビールに限らず、アルコール自体が尿酸値を上げます。特に発作を繰り返している人は、節酒を心がけましょう。またアルコールの中でも赤ワインは唯一尿酸値を上げないとされています。お酒の内容を変えるのもひとつかもしれません。
- 水分の摂取
尿路結石を防ぐため、十分な水分(1日2リットル程度)を摂って尿量を増やし、尿酸を体の外へ出しやすくしましょう。
- 食事の内容
プリン体の多い食品(レバー、干物、一部の魚介類)の過剰摂取を控え、野菜や低脂肪乳製品を摂るようにしましょう。果糖(フルクトース)を多く含む甘いジュースも尿
