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高血圧症で使う薬について

高血圧症は、血圧が高い状態が長く続く病気で、最も大切な目的は、血圧を下げることによって、将来の脳卒中や心臓発作(心筋梗塞など)といった命に関わる重大な病気になるリスクを減らすことです。

塩分を控える、運動をする、体重を減らすといった生活習慣の改善は、全ての患者さんにとって薬物治療と並行して行うべき必須の土台となります。

高血圧症について(薬を使わない治療)

しかしこれを生涯続けることは、時間の制約や生活の質の面でも現実的とは言えない方も多いのではないでしょうか。そこで、効率よく、効果的に、そして確実に血圧を下げるために用いられるものが薬物療法です。

研究の結果、どの薬を選ぶかよりも、どれだけ血圧をしっかりと下げられたかが、病気のリスクを減らす上で最も重要だと分かっています。

1. 治療の中心となる4つの薬のグループ

高血圧の治療で、効果と安全性が確立され、最初に使われることが推奨されている薬は、次の4つのグループに分けられます。

(1) ACE阻害薬(エースそがいやく)とARB(エーアールビー)

これらは「レニン・アンジオテンシン系」という、腎臓から作られる血圧をあげるホルモンに関わる薬です。

作用血管を広げて血液の流れをスムーズにし、血圧を下げます。

重要な役割:他の薬と比較して、血圧を下げる効果だけでなく、「腎臓が悪くなるのを防ぐ効果」があるとされており、積極的に使われています。特に、糖尿病や慢性腎臓病、心筋梗塞の後の患者さんに使われることが多いです

注意点:この2つの薬は作用が似ているため、一緒に使うと副作用(腎臓の悪化や高カリウム血症など)のリスクが高まるため、通常は併用しません。また、妊娠中の女性には使用できません。また、薬を開始した時に、見かけ上腎臓の数値が悪くなったように見えることがあります(実際に腎臓が悪くなったわけではありません)。

(2) カルシウムチャネル遮断薬

・作用:血管の細胞にカルシウムが入るのを防ぎ、血管の壁を直接緩める(広げる)ことで、血圧を下げます。

特徴血圧を下げる効果が大きく、最もよく使われる血圧を下げる薬です。長く効くタイプの薬がよく使われます。多くの薬と異なり、一般的に使われる痛み止め(NSAIDs)を飲んでいても効果が邪魔されにくいという利点があります。

・注意点:全身がむくむ副作用が他の薬よりも出やすいとされています

(3) 利尿薬(水分や塩分を出す薬)

作用:腎臓に働きかけ、体の中の余分な塩分と水分を尿として出すことで、血液の量を減らし、血圧を下げます。

種類:サイアザイド系と呼ばれる薬が代表的です。心臓や血管の病気を防ぐ効果に優れているとして推奨されることが多いです。

特徴むくみ(浮腫)のある方は改善が期待できたり、骨粗しょう症がある方には、特に良い効果が期待できます。

・注意点:ご高齢な方が使われると、少ない量であっても大きく血液中の塩分(ナトリウム)の量が減ることああります。この低ナトリウム血症になると、だるくなったり、意識がもうろうとしたりすることがあります。安全に使うためには、定期的に血液検査を行い、塩分量を測定することが大切です。

(4) ベータ遮断薬

作用心臓の動きを穏やかにし、脈拍数や心臓が血液を押し出す力を抑えることで血圧を下げます。

重要な役割:血圧を下げる目的以外に、心不全心筋梗塞の後心房細動といった特定の心臓の病気を患っている患者さんには、心臓を守るための必須薬として使われます。

注意点:心拍数を下げる作用があるため、運動をする際にも脈拍が上がらずに、運動を行う機能を下げる可能性があります。

(5) その他の最新の薬

高血圧の治療は日々進歩しています。2019年に高血圧症の薬として「エサキセレノン(商品名:ミネブロ)」があります。血圧をあげるホルモンであるアルドステロンの作用を抑えることで、体の中の水分や塩分が排出されて血圧が下がります。強力な血圧を下げる効果があると言われおり、他の薬で血圧が下がらない患者さんに使用しています。

2. 治療効果を高めるための薬の組み合わせ方

ほとんどの高血圧患者さんは、目標の血圧を達成するために、最終的に2種類以上の薬が必要になります。

A. 組み合わせ療法の基本

  1. 少量の併用が基本

1種類の薬を最大限の量で飲むよりも、作用の仕方が異なる2種類の薬を、それぞれ少なめ、または中くらいの量で組み合わせる方が、より効率的に血圧が下がり、副作用も出にくいことが分かっています。

 

  1. 推奨される組み合わせ

専門家の推奨では、「ACE阻害薬(またはARB)」と「カルシウムチャネル遮断薬」を組み合わせるのが最も一般的で好ましい方法の一つとされています。この組み合わせは、心臓や血管の病気を防ぐ点で、特に優れているという研究結果があります。

 

  1. 3剤以上の併用

2種類の薬を使っても血圧が下がらない場合は、3つ目の薬(通常は利尿薬)が追加されます。

B. 飲み忘れを防ぐ工夫(配合剤)

薬の治療で最も難しい課題の一つは、「薬を毎日きちんと飲み続けること」です。そこで、複数の薬を1つの錠剤にまとめた「配合剤」を使うことで続けやすくなり、目標血圧への到達率も高まることが示されています。

3. 治療を難しくする要因と特別な薬

A. 難治性高血圧

利尿薬を含む3種類以上の薬を最大の量で飲んでも、血圧が目標値より高い状態を「難治性高血圧」と呼びます。 この場合、治療を始める前に、「本当に難治性なのか」を確認することが大切です。

 1. 飲み忘れがないか

 2. 血圧を上げるような他の薬(市販の痛み止め、漢方薬、ステロイドなど)は飲んでいないか

 3. 白衣高血圧(病院でだけ血圧が高い)ではないか

 

これらを排除して真の難治性高血圧と診断された場合、基本の3剤に加えて追加の薬が検討されます。

B. 薬の費用と服薬の継続

高血圧は症状がないため、薬の費用が高いことや副作用が出ること、飲むのが面倒なことが原因で、薬をやめてしまう患者さんがいます。 治療を長く続けるためには、費用を抑えるためにジェネリック薬を活用したり、患者さんと医師が協力して、最も簡単で副作用の少ない組み合わせを見つけることが非常に重要です。

当クリニックでは市民講座や患者さんの健康相談会も実施しています。いつでもご相談ください。

 

高血圧の治療薬はいくつも種類がありますが、どの薬を用いるかによって「きちんと血圧を下げることができるか」「腎臓を守ることができるか」などが変わってきます。

当院では無料の生活習慣病の相談も行っています!

千葉市の幕張で高血圧の治療をされる方は、こあら内科クリニックにご相談ください。

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