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COPD(たばこ関連の肺疾患)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは

COPDという病気を聞いたことはありますか?
日本語では「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれます。
長くタバコを吸っている方に多く見られる肺の病気で、息切れや咳が続くことが特徴です。
ここでは、COPDとはどのような病気なのか、その原因や症状、治療法などについて、わかりやすく説明します。

1. 喫煙の影響とCOPDとは

COPDは、主に長年の喫煙によって肺にダメージが蓄積し、呼吸がしにくくなる病気です。
昔は「慢性気管支炎」や「肺気腫(はいきしゅ)」と別々に呼ばれていた病気が、現在はこのCOPD(慢性閉塞性疾患)という病名にまとめられています。
私たちが息を吸うと、空気は気管を通って肺の奥にある小さな風船のような袋(肺胞)に届き、そこで酸素が体内に取り込まれます。しかし、COPDになると、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起きて狭くなったり、肺の奥の袋が壊れて弾力を失ったりします。
その結果、空気をうまく吐き出すことができなくなり、肺に空気がたまりすぎて息苦しくなってしまうのです。

2. 喫煙が起こす影響

タバコの煙には数多くの有害な化学物質が含まれています。これを長期間吸い込み続けると、肺や気道の細胞が傷つき、常に炎症が起きている状態になります。
人間の肺の機能は、20歳頃をピークにして、その後は年齢とともに少しずつ自然に低下していきます。しかし、タバコを吸い続けていると、この肺機能の低下が通常よりもずっと早いスピードで進んでしまいます。
さらに、喫煙はCOPDを引き起こすだけでなく、肺がん心臓の病気血管の病気など、命に関わるさまざまな病気のリスクを大きく引き上げます。 また、自分がタバコを吸っていなくても、家族など周りの人が吸っているタバコの煙を吸い込むこと(受動喫煙)でも、肺に悪影響を及ぼし、COPDのリスクを高めることがわかっています。

3. どのくらいの方がかかっているか

COPDは決して珍しい病気ではありません。
世界の調査によると、40歳以上の大人の約10%がCOPDにかかっていると推測されており、非常に一般的な病気です。
最近は喫煙率が低下していることもあり、年齢が上がるにつれて患者数は増えていきます。
日本では喫煙率の低下と共に若い患者さんの数は減っていますが、今なお命に関わる危険な病気であることは確かです。

4. 原因

COPDの最大の原因は「タバコ」です。患者さんの大部分は、長期間にわたってタバコを吸っていた経験があります。
タバコを吸っていた期間が長く、本数が多いほど、発症するリスクは高くなります。 この期間×本数の計算式を「ブリンクマン指数」と言います。

【ブリンクマン指数の計算式】

ブリンクマン指数 = 「1日あたりの喫煙たばこの本数(本/日)」×「喫煙年数(年)」
    → ブリンクマン指数が800以上で、
      呼吸機能検査で異常を起こすレベルのCOPDを起こしやすいとされています

ただし、タバコ以外にも原因になるものがあります。
たとえば、仕事場で長期間にわたって粉じん(細かいチリ)や化学物質のガス、煙などを吸い込んだり、大気汚染のひどい環境で生活したりすることも原因となります。
また、一部の国や地域では、料理や暖房のために薪(まき)などを燃やした時に出る煙を屋内で吸い続けることも原因とされています。 ごくまれですが、「アルファ1-アンチトリプシン欠乏症」という生まれつきの遺伝的な体質が原因で、タバコを吸わなくても若い頃にCOPDを発症する方もいます。
さらに、子どもの頃に重い肺炎などの呼吸器の病気にかかったり、喘息があったりすることも、大人になってからCOPDになるリスクを高めると考えられています。

5. COPDを疑う症状

COPDの症状は、ゆっくりと時間をかけて進むため、初期の頃は自分ではほとんど気づきません。 しかし、病気が進行するにつれて、次のようなサインが現れます。

動いた時の息切れ
  • 階段を上ったり、坂道を歩いたり、少し急いで歩くと息が切れて苦しくなる
  • 病気が進むと、着替えや食事など、日常生活の少しの動きでも息切れを感じる
慢性的な咳と痰
  • 長期間にわたって咳が続いたり、痰が出たりします。特に朝方に多いのが特徴です。
呼吸時の雑音
  • 息を吐く時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が鳴る(喘鳴)こ0とがあります。

これらの症状が出ても、「ただの風邪が長引いているだけ」「年のせいで体力が落ちただけ」と思い込んでしまい、病院に行くのが遅れてしまうことがよくあります。
重症になると、じっとしていても呼吸が苦しくなり、呼吸をするだけで多くのエネルギーを使ってしまうため、体重が減ってやせ細ってしまうこともあります。

6. COPDの検査方法

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

COPDの診断で最も重要な基本の検査です。
鼻をクリップでつまみ、筒のような機械に向かって息を思い切り吸い込み、一気に吐き出します。COPDになると息を勢いよく吐くことができなくなるため、「最初の1秒間で吐き出せる空気の割合(1秒率)」が基準(70%)より少なくなります。これによりCOPDと診断されます。
重症になってくると、肺活量も低下してきます。

画像検査(レントゲン・CT検査)

胸部レントゲン検査胸部CT検査を撮って、肺の様子を画像で確認します。肺の奥の組織が壊れてスカスカになっていないか(肺気腫)を見たり、肺がんや心不全など、似たような息切れや咳が出る「別の病気」が隠れていないかをチェックしたりするために行われます。

血液中の酸素を測る検査(パルスオキシメーター)

肺がきちんと働いて、酸素を体に取り込めているかを調べます。指先にクリップのような機械を挟んで簡単に測る酸素飽和度測定装置(パルスオキシメーター)などで確認します。
最近は、病院にいるときの時の数値だけでなく、息切れが出現する自宅などで動いた時に酸素が低下していないかを調べるために、メモリー機能付き酸素飽和度測定装置もあります。これをレンタルで借りて自宅での数値を測定することで、体への負担を調べることもできます。

7. 治療方法

残念ながら、COPDによって一度壊れてしまった肺を元通りに治すお薬はありません。 しかし、適切な治療を続けることで、症状を和らげ、病気がそれ以上悪くなるのを防ぎ、普段通りの生活を保つことができます。

禁煙

治療の第一歩であり、最も重要なのが「タバコをやめること」です。タバコをやめれば、肺の機能が落ちるスピードをゆるめることができます。いつやめても遅すぎることはありません。

お薬による治療

主に吸入薬を使用します。具体的には、主に「気管支拡張薬」という、空気の通り道を広げて呼吸を楽にするお薬を使います。症状に合わせて、炎症を抑える「ステロイド」のお薬を吸入で一緒に使うこともあります。

呼吸リハビリテーション

適切な運動をして筋肉をつけたり、呼吸を楽にする体の動かし方や呼吸法を学んだりすることで、息切れを軽くして体力をつけるリハビリを行います。

酸素療法

病気が進んで血液中の酸素が不足してしまうと、息切れが起きて苦しいだけでなく、心臓にも負担をかけます(肺高血圧症)。これを防ぐために、自宅に機械を置いて酸素を吸いながら生活する治療(在宅酸素療法)が行われます。当院でも在宅酸素療法を使用することができます。

手術など

ごく一部の重度な患者さんに対しては、肺のひどく壊れた部分を取り除いたり、気管支に小さな弁を入れたりする治療が検討されることもあります。

8. COPDの患者さんが注意すること

COPDの患者さんが毎日を元気に過ごすためには、病院での治療だけでなく、ご自身での日々の心がけがとても大切です。

感染症の予防

COPDの患者さんが風邪やインフルエンザ、肺炎などにかかると、急激に息切れや咳・痰が悪化することがあり、命に関わる危険があります
外出後の手洗いやうがいを徹底し、具合の悪い人には近づかないようにしましょう。 また、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン、新型コロナウイルスワクチンなどを定期的に受けることが強く勧められています。

規則正しい生活と適度な運動

息切れがするからといって動かずにいると、筋力が落ちてさらに動けなくなってしまいます。無理のない範囲でウォーキングなどの運動を続けましょう。 また、バランスの良い食事をとって、適切な体重を保つことも大切です。

症状の変化を見逃さない

普段よりも息切れがひどくなったり、痰の量が増えたり、痰の色が変わったりした場合は、病気が急激に悪化しているサインかもしれません。すぐに病院に連絡して指示を仰ぎましょう。

お薬を正しく使い続ける

吸入薬は、毎日正しい方法で使い続けることで効果を発揮します。調子が良いからといって自己判断で薬をやめたり減らしたりせず、医師の指示通りに続けてください。

煙やホコリを避ける

タバコの煙はもちろんのこと、強い香水、排気ガス、ホコリなど、呼吸を刺激するものをできるだけ避けて生活するようにしましょう。

 

当院ではレントゲン検査のほか、クリニックとしては珍しい呼吸機能検査の検査機器があり、慢性閉塞性肺疾患の診断・評価を的確に行えます。
千葉(幕張)で慢性閉塞性肺疾患が気になった方は、是非「こあら内科クリニック」にご相談ください。

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